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ビッグウエイトが引き出せる低水温期のバイブレーション活用法

クリアなウイードレイクからマッディーシャローまで有効なリフト&フォール

Basser編集部=写真と文
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水温が下がりバスの活性が低くなってくると、シャッドプラグやメタルバイブを投げたくなる。
だが、米国トーナメントで活躍する宮崎友輔さんはバイブレーションの釣りを覚えることでビッグウエイトを引き出せようになるという。
とくに近年注目を集めるリアクションバイトねらいのリフト&フォールを宮崎さんが解説する。


※この記事はBasser2015年2月号に掲載されたものを再編集しています

米国アングラーが信頼するリフト&フォール


 低水温などでバスがベイトを積極的に追い回さないコンディションではリアクションバイトをねらう釣り方が効果的とされている。とくにバイブレーションは、シャローからミドルレンジの高速リトリーブやアクションの緩急を演出できるリフト&フォールを得意とするため、リアクションバイトを誘発させやすいルアーだ。米国ではトーナメントシーンでシミーフォール(ゆらゆらボディーを揺すりながら沈んでいくフォーリング)と呼ばれるアクションを出すモデルが話題になったことをきっかけに、ウイードエリアをリフト&フォールで探る釣りが低水温期の定番となっている。

 宮崎友輔さんもバイブレーションのリフト&フォールでリアクションバイトをねらう釣りを得意としている。現に2014年2月下旬にアラバマ州のレイク・ガンターズビルで行なわれたバスマスタークラシックでは、この釣りに適したT.D.バイブレーションTYPE-R(現在はT.D.バイブレーション・スティーズカスタムとして販売)をメインタックルに結んでいた。ちなみに大森貴洋さんも同じ釣りをメインにしていたことから、米国アングラーがいかに信頼しているかが伺える。

 宮崎さんはこの釣りを「低水温期のトーナメントで勝てる釣り」と話す。

dsc_8066a解説・宮崎友輔(みやざき・ゆうすけ)
米国を拠点に活躍するトーナメントアングラー。2016年までバスマスターエリートシリーズに出場。2013年、2014年バスマスタークラシック出場。2005年Basser Allstar Classic優勝。


「12月から2月の低水温期にビッグウエイトを持ち込める釣りとしてバイブレーションのリフト&フォールはなくてはならない釣りです。真冬の釣りというとシャッドプラグを投げたくなりますが、バイブレーションのほうがアピールが強い分、ウエイトのある型のいいバスが反応しやすいのだと思います。日本ではメタルバイブも一般的ですが、バイブレーションのほうがルアーのボリュームが大きく、ラトル音もあるので広範囲を探るのに向いています」

 バイブレーションのリフト&フォールはシャローフラットやリップラップなどで有効だが、とくに効果を発揮するのはウイードエリアでの釣り。ウイードにスタックした状態から勢いよくカットしたときのイレギュラーな動きでビッグバスのリアクションバイトを誘える。ラトル音でウイードの中にいるバスにもアピールしやすい。リフト&フォールは繰り返し行なうことでバスの目の前にルアーを落とす確率を高める意味をもつ。

「基本的にはウイードの生えたシャローフラットの釣りですが、水深10ft(約3m)より浅いフラットが広がるエリアならどこでも試します。レイク全体を見てドックの内側、堰堤の風裏など風や波からプロテクトされ水温が安定していたり、ディープに隣接したりするエリアを探します。ウイードに潜り込んでいるか、ウイードがなければ底べたに付いている魚をねらう釣りです。米国だけでなく日本でも霞ヶ浦や牛久沼、琵琶湖南湖のような平地のフラットレイクや野池などで使えますよ。ウイードがあれば最高ですがウイードがなくてもインレットや浚渫周りのフラット、リップラップ、アシ際、枯れたリリーパッド周りなどいろんな場所で応用できます」

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ウイードへのタッチを感じ取る繊細な感覚が求められる


 ウイードエリアでとくに効果を発揮するバイブレーションのリフト&フォールだが、うまくウイードを切りつつストレスなく探るには、相応の技術が求められる。まずはキャストからピックアップまでの一連の動作を解説してもらった。

「なるべく遠投して広くウイードエリアを探ります。ボートを進めつつ、前方斜め45度にキャストしていくのが釣りやすいですが、ウイードがなびく角度によって引きやすい向きが決まってきます。最初はボートから扇状にキャストしてウイードを拾いにくいコースをつかむのがいいですね。

 リフト&フォールはロッドティップを上下に振って行ないますが、遠投すると、キャストした先とボートの近くではラインの角度が変わってきます。たとえば遠くでは時計の2時から12時の高い位置で上下させ、近くなら3時から12時というふうにロッドを振る高さを調節します。大きくシャクり上げるのがいいか、小刻みに細かくリフトさせるのがいいかはその日によって変わるのでいろいろ試すようにしています。

 バイトの出方にはいくつかパターンがあるのでそれぞれアワセ方を変えています。ロッドをシャクり上げたときにかかればそのままファイトすればOKです。ラインが横に走ったりグーッと重くなったりするバイトなら、ラインスラックをしっかり巻き取ってからロッドをグイッと引き付けてアワせます。フォール中にラインが跳ねたり違和感が出たりしたときはリールを素早く巻いてラインスラックを取りながら即アワセを入れます」

 話を聞くと簡単に実践できそうだが、バイブレーションをウイードにうまくタッチさせながらリフト&フォールさせるにはコツをつかむ必要がある。ウエイトが重めでスピナーベイトのアームのようにフックをガードするパーツがない分、フックがウイードを拾いやすいからだ。逆を言えば、ウイードエリアでうまく扱う技術を習得すれば、ほかのエリアでも応用しやすい。

 初めて入るスポットではキャストした先で水面下のどれくらいの深さまでウイードがあるかわからない。水面直下まで伸びていた場合は1投目で藻ダルマになってしまうこともよくある。

「僕がよくやるのは、沖側から浅いほうへキャストして、ロッドを立てたまま素早くラインを巻き取ります。リールを5~10回巻いてウイードやボトムへのコンタクトがなければ、そこからフォールに移ります。最初の巻きでフォールさせられる水深があるかどうか探るんです。スポットを移動したときやウイードの生え方が変わったなと感じたときなどにこのテクニックを使います。そのためにはハイギヤのリールが使いやすいです。巻き抵抗が大きく感じる分、ウイードに接触したわずかな感触を感じやすいですから。そしてウイードへのタッチ感がわかりやすいバイブレーションを使えば、藻ダルマになる前に回避したり、素早くカットしたりする動作がやりやすいです」

dsc_7179a 宮崎さんのタックル例
ロッド:ブラックレーベルBL-FM701MHFB(ダイワ)
リール:タトゥーラ103SH-TW(ダイワ)
ライン:エクスレッド16Lb(東レインターナショナル)
ルアー:T.D.バイブレーション・スティーズカスタム72S-S(ダイワ)


操作感が掴みやすいT.D.バイブレーション・スティーズカスタム


 宮崎さんがいう、タッチ感がつかみやすく使いやすいというルアーこそT.D.バイブレーション・スティーズカスタムだ。

 このバイブレーションの特徴について、まず話題にあがるのはシミーフォールするという性能だろう。フォール中にもバスの興味を引きやすいうえ、同サイズ同ウエイトのほかのモデルよりもフォールスピードが遅い。これにより水中でバスにアピールする時間を伸ばせるうえ、フォールからリフトに移るときのタイミングをつかみやすいのだ。しかし、宮崎さんがそれ以上にこだわったのは、ハイピッチなアクションをキープしながらも手もとまで力強い振動を伝えてくれる性能だった。ウイードへタッチした瞬間を感じられるかどうかがこの釣りのキモになる。振動を手もとで感じられれば、その変化でルアーの状態を把握しやすい。

「ウイードエリアのバイブレーションパターンは、シミーフォールが注目される前から非常に有効な釣りとして知られていました。そのころ使われていたバイブレーションでリフト&フォールの釣りができるのはせいぜい水深5ft(約1.5m)まで。それより深いレンジではシャクったときの振動が手もとまで明確に伝わらないため、ウイードへのスタックを感知しにくく、シャクって切ったり回避したりすることがままなりません。より引き感が強く、さらにしっかりと振動を伝えてくれるものがあれば、ほかの人が探れていない深いレンジを釣ることができます。T.D.バイブレーション・スティーズカスタムはオリジナルに比べてボディーの厚みをわずかに増したことで、タイトピッチながら明確な引き感を出せるようになりました。水深7~8ft(約2~2.5m)レンジをメインに、12ft(約3.5m)でも使います。一方、ヘッド上面は逆に細く作っているのでウイードは拾いにくくなりました」

img_1905 T.D.バイブレーション・スティーズカスタム 53S / 65S / 72S
53㎜・10.5gの「53S」、65㎜・16.5gの「65S」、72㎜・20gの「72S」をラインナップ。オリジナルのT.D.バイブレーションよりも各サイズでウエイトが重くなりキャスタビリティーがアップしている一方、フォールスピードは抑えられている。宮崎さんが使用するカラーは“リバースクロー(写真)”、“マットタイガー”、“クロキン”もしくはシルバー系だ。最初に試すのはリバースクローなど赤系。釣果がいいときとまったくダメなときがある両極端なカラーだが、曇りの日は反応がよい傾向があるという。赤でダメならチャート系を投入する。晴れの日や水温が安定してベイトを追い回している状況ならクロキンやシルバー系を試す


 スティーズカスタムの前身であるTYPE-Rは当初T.D.バイブレーションのチューニングモデルとして開発されていた。しかし、オリジナルに手を加えるだけでは理想のアクションが出せず、新しく金型を起こした。「覚えているだけで260個以上のプロトタイプをテストしました。T.D.バイブレーションと名前は付いていますが、外観も内部構造もまったく別物です」と宮崎さんは話す。そのTYPE-Rは2010年に発売。現在はサクサスフックが搭載されたたT.D.バイブレーション・スティーズカスタムとして日本でも各地のフィールドで実績を重ねている。

 2017年には小型化した53mmシリーズもデビュー。
「このモデルは日本のオカッパリ対応としてだけではなく、実はUSダイワプロチームのメンバーからの要望でシークレットとして生まれた小型バージョンです。テキサスやアラバマ、ジョージア、フロリダといったビックバスが豊富なアメリカ南部エリアでも、冬から早春の低温でスーパータフになったフィールドコンディションで活躍してくれるサイズなのです」と宮崎さん。

 信頼度は米国トップアングラーのお墨付き。これからの低水温期に強い味方となってくれるだろう。

img_0995この記事の取材を担当した記者(siteB担当アライ)は、12月の茨城県・牛久沼で試してみたところ、1400gのナイスサイズをキャッチすることができた。ウイードのないマッディーなシャローフラットの同フィールドだが、枯れたハスの根元についていたバスが食ってきた。ご想像のとおり最初は根掛かりに悩まされたのだが、フロントのトレブルフックの前向きの1本をペンチで折るだけでかなり根掛かりを減らせることがわかった


 
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2017/11/9

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