サイト・ビー by Basser
バスフィッシング全力投球!

オギタコンビが愛用する「チェリーリグ」のひみつ :第1回

フック+ワイヤー1本のシンプルな形状の理由

Basser編集部=写真と文
05aチェリーリグとは……フックに直接セットされたワイヤーの先端にバレットシンカーを通したリグ

 Basserで連載されていた荻野貴生さんと沖田護さんの連載「オギタ式」。この連載でふたりが数多くのバスをキャッチしたのが「チェリーリグ」だ。撃ってよし、ズル引いてよしのこのリグの特徴をふたりが改めて紹介します。

シンプル・イズ・ベストまでの道のり


 ふたりがチェリーリグを本格的に使い始めたのは2013年の春から。夏も使い、秋も使い、そして厳寒期もこのリグに何度も助けてもらった。四季を通じて使い続けたふたりの結論は「長年の釣りスタイルが変わってしまうくらい力のあるリグ」というものだった。

ogita ogitaBasser2013年6月号より

※Fujisan.co.jpにて、Basserを定期購読するとデジタル版のバックナンバーが4年分以上読み放題になるキャンペーンを実施中! 詳細はこちらからどうぞ

01スタックしにくく、したとしても外しやすいチェリーリグが障害物をかわす状況を卓上で再現する荻野貴生さん(左)と沖田護さん(右)。使い始めてわかる利点が多いためベテランふたりも夢中で使い、長年の経験で構築された釣りのスタイルにまで変化が起きているという

04商品名はフェロモンチェリー。先端を丸く曲げただけのワイヤーに直接オフセットフックがセットされただけのシンプル構造。これにバレットシンカーとワームをセットすればチェリーリグになる。沖田さんはトーナメントで、荻野さんはガイドで欠かせなくなった

編集部(以下、B) 「チェリーリグを語るうえで欠かせない存在がフェロモンピックだと思います」

荻野(以下、荻) 「ですね。ここがすべての出発点ですから」

沖田(以下、沖) 「ピックはボクがヘビキャロ用に自作したもので、当初はシロギス用の片テンビンのアームや先端をカットしたものでした」

 「片テンビンってオモリをセットするためのバネ付きのアイが下にあるのに、あえてワイヤーをカットした側にバレットシンカーを通していたのが凄いよね」

03 右がチェリーリグの原点になったフェロモンピック。左はフェロモンチェリー。どちらもシンプル極まりない形状だが、贅肉をそぎ落とした結果だという

 「だってそのほうが感度ビンビンでしょ?」

 「そうなんだけど、普通はそうは思わない。っていうか、言われてもピンと来ない人が大半だよ。ボクも半信半疑で使ってみて『そういうことか!』ってビックリしたもん」


 どういうことかというと、銃弾形をしているバレットシンカーの接地面の話である。本来、キャロであれテキサスであれ、バレットシンカーを使えばボトムで横倒しになるためズル引けば横長の側面、つまり〝面”が触れる。摩擦や抵抗が増えるため感度は鈍くなる。

 「それに対して本来はラインを通すアイにワイヤーを貫通させたのがマモちゃんですよ。そのままフリーフォールさせたら倒れるんだけど、ほんの数mm動かそうとするとごくごく軽い力でピコンと立っちゃう」

 「うん。ラインを張ればピンコ立ちする。なぜかといえば底が広くて安定している弾丸形状だから。で、この立った状態で少しでもサビくと、シンカーは斜め立ち状態になるからボトムとの接触が“面”ではなく“点”になる。だから感度がめちゃくちゃいい」

 「ヘビキャロって根掛かりが避けられない釣りで、しかもその多くはシンカーが挟まることによるわけですよ。それがボトムで立って、挟まるべきところに長いワイヤーがあるから挟まりにくい。しかもシンカーが寝ないから感度がいい」

 「そもそも片テンビンって、浅場のシロギスにしても深場のアマダイにしても砂地をサビいて使うものでしょ」

 「そうだね」

 「バスも砂地でサビく釣りだったら、別にバレットシンカーを縦に刺す必要なんてない。だってナスオモリなら接地するのは面じゃなくて点だし」

 「そうだね。起伏の激しい根周りの釣りで片テンビンなんて使わない。オモリの真上からそのまま仕掛けが伸びるドウヅキ仕掛けを使うもん」

 「そういうこと。実際、バレットシンカーを遊動式にする通常のヘビキャロよりも、片テンビンにナスオモリをセットしたほうが感度はいいわけです」

 「バレットの面に対して点だからね」

 「そういうこと。ただ、ナスオモリもテンションを張って持ち上げれば接地するのは点になるけれど、まあまあ面になりやすい。ヨリモドシやスナップなど動く関節部を入れればなおさらです。だったら横倒しになりやすいバレットシンカーを縦刺しにすればいいと思ったんです。そのほうがリーダーの出発点も高くなるし。実際、ちょっとラインを張るだけでワイヤーがピコンと立つからラインがボトムに干渉しづらいしシンカーの接地も点になるから感度も上がった」

 「その発想が凄いよね」

 「で、あんまりにも使い勝手がいいからアニキにも使ってもらったら、感度のよさと根掛かりのしづらさに感激しつつ、『マモちゃん、この親子サルカンを取っ払って、ここに直接フックをセットしたらどうなの?』って言いだしたわけです」

 「そしたら冷たく『馬鹿じゃないの?』って言われたよ(笑)」

 「だってボクもヘビダンは相当やり込んでいるから、フックから直接こんなワイヤーが出てたら食うわけないって思ったもん」

 ところが食ったのである。食ったどころかこれまでのヘビダンと遜色なく食って、しかもフッキング率は向上。宿命と思われたヨレまで解消され、感度も向上した。

 「で、アニキに『ヤバい。ヤバすぎる』って報告して、そこからふたりで使い倒したわけです」

 「ここに直接フックをセットしたらどうなの?と聞いたのはボクですけど、『ヤバいくらい釣れる』って聞いても釣れる理由はわからない(笑)。正直、使って釣って、使って釣って、その釣れる理由を後付けで考えたようなもんです」

 「釣れる理由が自分たちでもきちんと整理できてなかったから最初はトンチンカンなこともしたよね(笑)」

 「まず形が今とは違う。現在の最終形は上を丸く曲げた1本のワイヤーで、その曲げた部分にフックのアイを通しただけというシンプルすぎる形です。でも、これを初めて見た人は『もう少しなんとかなっただろう』って思うわけですよ(笑)」

 「少なくともヨレ解消のためのヨリモドシくらい付けろよって。それからフック交換ができるようにスプリットリングくらい付けろよって何度も言われた(笑)」

 「で、ボクらもそう思って全部試しましたよ」

 「結論は必要なし、でしたね。とくにヨリモドシは付けちゃいかんと」

07 右は最終形のチェリーリグ。左はボツになったヨリモドシ付きのタイプ。そもそもこのリグだと回収時にもワームが回らないためヨリモドシはゴミを拾ったり、関節のように折れ曲がることでトラブルが増すだけだったとか。このほかフック交換ができるようにスプリットリングでフックを接続するバージョンもあったが、やはりトラブルが増えるとの理由で採用せず

 「そう。このチェリーリグって、言わばリーダーレスダウンショットリグなのにラインがヨレないんですよ」

 「ダウンショットリグの最大のデメリットはイトヨレです。で、それを解消するためにスイベル付きのシンカーを使っても意味はないんですよ」

 「あれは回収時にワームがグルグル回るからヨレるんであってシンカーは関係ない。ナスオモリ直結でも同じだよね」

 「そう。ただ、フックよりも上のメインライン側にヨリモドリを付ければヨレはだいぶ解消されます」

 「でも面倒くさいし、結び目が増えればトラブルも増える」

 「このラインのヨレはダウンショットリグの永遠のジレンマというか宿命と思っていたんです」

 「なのにチェリーリグだと勢いよく回収してもルアーが回らない。つまりヨレないんですよ」

 「たしかにヨレないですけど……何故でしょうか?」

 「関節がないからです。ラインを結ぶリングが回転しないからフックも回転しない」

 「もちろんこれにはデメリットもあるわけです。チェリーリグを使っていると、ラインの強度や魚の大きさからは考えられないラインブレイクをするときがある。その理由は高低差のあるボトムで操作すると結び目から先にコンタクトするように導かれるからです」

08チェリーリグをズル引いたようす。高さのある障害物に差し掛かったとき、テキサスリグとは違ってラインの結び目がダイレクトにぶつかりやすい。こまめなラインチェックが必要で、ここにシンカーロックを被せるのも保護になる

 「それを解消するにはシンカーロックを被せて結び目を保護するか、こまめなライン点検が欠かせません。でもまあ、結び目から先にコンタクトするリグやルアーってほかにもあるし、それはやっぱりこまめな点検しかないわけです」

 「フック交換のためのスプリットリングはアリかなって思ったけど、これもナシでしたね」

 「でも……単純にリングをひとつ増やしてもフックが横アイでリングが縦だからフックの向きが横に寝てしまいません?」

 「ワイヤーのアイにラインを結んだらそうなりますけど、リングに結べばそうはならない」

 「あ、そうですね」

 「でも真上から見ると、アイが増えた分、スリ抜けが悪くなる。ゴミを拾いやすいし、突っかかりが増えるんです」

 「これがあったらもっとよくなるだろうってくっつけた物はほぼ例外なく不要でした。明らかにないほうがいいんです」


  
 
 Basser4月号では、三寒四温と言われる悩ましい早春を釣るヒントを数多く紹介。実釣記事では、川島勉さんと田辺哲男さんが亀山湖で、並木敏成さんが相模湖でいち早く春を捉え、それぞれテキサスリグ、ジャークベイト、パワーフィネスという異なるスタイルで50cmクラスを手にしています。


 

荻野貴生さん&沖田護さんコンビが映像でも活躍

3057_S 動く オギタ式。
DVD-180分




2017/3/21

つり人社の刊行物
THE CRANKER(ザ・クランカー)
THE CRANKER(ザ・クランカー) 本体3,600円+税 DVD-145分
超緻密ローテーションから正解を導き出す“釣り勝つクランク理論"のすべてをここに公開! 巻物系ルアーのスペシャリスト、北大祐がもっとも得意とするクランクベイトを徹底解説する本作。 昨今のよくあるビッグフィッシュのインパクトだけを狙った映像と…
つり人社の刊行物
THE CRANKER(ザ・クランカー)
THE CRANKER(ザ・クランカー) 本体3,600円+税 DVD-145分
超緻密ローテーションから正解を導き出す“釣り勝つクランク理論"のすべてをここに公開! 巻物系ルアーのスペシャリスト、北大祐がもっとも得意とするクランクベイトを徹底解説する本作。 昨今のよくあるビッグフィッシュのインパクトだけを狙った映像と…

最新号 2019年10月号

【今月の研究テーマ】
虫・カエル・ネズミ

小動物ルアーの使いこなしがわかる1冊です。バスフィッシングの多様化により近年ますます存在感を増してきこれらのルアーですが、そのサイズ感や、表層付近をメインステージとする特性上、使い方や出しどころによっては思うような釣果を得られないことも少なくありません。しかし、今号の記事を読んで実践すれば、これらのルアーが「釣れる」ことを体験、実感できるでしょう。
たとえば、浮く虫ルアーと沈む虫ルアーはどのように使い分ければいいのか。その判断を正確に行なうための理論とバスの観察の仕方が、大塚高志さんの記事読めばわかります。
「野良ネズミとフロッグの違いと使い方は?」
「虫ルアーの有効な使い方ってサイト以外にあるの?」
「フッキングやバイト率を上げるための秘密やチューン方法はある?」
「小動物ルアーって具体的にどんなのが売ってるの?」
こんな疑問をもつ方も、必ず手に取りたい内容となっています。
また、アメリカ在住のトーナメントウォッチャー・雨貝健太郎さんによるBPTとB.A.S.S.のレポートが読めるのも『Basser』だけ。とくに今号では、日本人選手がボーターとして9名エントリーしている注目のセントラルオープン第3戦の模様を16ページの大ボリュームで詳報。
青木大介さんが4位入賞を果たすきっかけとなったプラクティスでの気づきと試合中のアジャスト。そしてランキング暫定1位でこの試合を迎えた伊藤巧さんの苦悩と葛藤が、本人のインタビューも交えてレポートされています。
[ 詳細はこちらから ]

オンライン書店Fujisan.co.jp

Basser最新号を、毎号、発売日当日までにお手元にお届けいたします。 (地域や交通事情によって発売日より遅れて届くことがございます。予めご了承ください。) 送料は全国一律で税込100円! 印刷版、デジタル版共に1冊から定期購読がはじめられます。 店頭で売り切れてしまったり、忙しくて買いそびれる、という心配もありません。
定期購読をお申し込みいただくと、デジタル版の最新号から2012年10月号までのバックナンバー約6年分以上が実質無料で読み放題!

[ 定期購読はこちらから ]

 

NOW LOADING