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ラスバス・初バス挑戦記 :第1回 馬路久史×利根川

12月27日、消波ブロック帯で重めのスモラバをズル引く

馬路久史=写真と文
Basser2015年3月号掲載の「全員釣ったゾ!! ラスバス・初バス挑戦記」を再編集してお届けします。
「2014年のラストバス、もしくは2015年の初バスを釣ってきてほしい」という編集部からの依頼に応え、年末年始に釣行してくれた9人のアングラーは全員がバスをキャッチ。
低水温に打ち勝つヒントを教えてくれました。


maji-1
アングラー=馬路久史(まじ・ひさし)
ケイテック社長として日々「よく釣れるワームとは何か」を考える毎日を送る。アクションレスポンスがよく高い評価を得ている同社初のクロー系ワーム「クレイジーフラッパー」や、スローリトリーブ対応のバジングフロッグ「ノイジーフラッパー」などの開発を担当。


消波ブロックは魚のマンション


 仕事納めの翌日、2014年12月27日に私は利根川下流域に釣りに行きました。結果は2バイト1フィッシュで、無事ラスバスをキャッチし納竿できました。

 エリアは冬に実績が高いといわれている「佐原の消波ブロック帯」。水郷大橋の橋脚南詰めの岸際上流側に、チョコレート護岸の前に岸と平行に500mほど消波ブロックが沈められています。このエリアは岸際が急深で、水面から水深7mぐらいまで消波ブロックが不規則に沈んでいます。よって魚は大きく横移動することなく、消波ブロック沿いに浅場⇔深場の移動が容易かつ安全にできるため、冬には格好の隠れ家になるのです。

 さらにこのエリアの消波ブロックは外枠がピラミッド型で中が中空になっている「中空三角ブロック」。これはブロックの中に一定の空間が確保されるため、魚などが住み家にしやすく、漁礁にも使われる形状なのです。よってバスはもちろん、そのエサとなるゴリやエビなどの水生生物もストックしていることでしょう。

maji-2 佐原の消波ブロックエリア。水面には数えるほどしか消波ブロックは見えないが、水の中に無数に沈んでいる。利根川本流の冬の鉄板エリア。ピラミッド型で中が中空になっている中空三角ブロックはトライアングルの中の隙間がミソで、水生生物の住み家にもなりやすい。当然バスも……

 ほかにも理由はあると思いますが、安全な深場を有することと、少量でもエサとなる生物も集まってくるというこの2点において、バスの越冬場所としてこのうえない環境にあるはずです。さしずめ、セキュリティー万全のレストラン付きマンションといったところでしょうか。

 このエリアに到着したのは、午前9時過ぎ。釣り場の表水温は5℃弱。快晴・微風で、川の流れも緩やかで冬としてはまずまずの釣り日和です。軽く魚群探知機で消波ブロックの入り具合をチェックしてから、消波ブロック帯のなかでもっとも川の流れが弱まっているであろう下流側から釣りを開始します。投じたルアーは3/32oz(2.7g)のスモールラバージグ。トレーラーは現在開発中のクレイジーフラッパー2in。これを丁寧にズル引いて探っていきます。陽が高くなってきた11時ごろ、ついに来ました。値千金のラスバス! サイズは36㎝で痩せてはいましたが、冬の1尾には格別の嬉しさがあります。

maji-4 スモールラバージグのズル引きでキャッチした2014年を締めくくる1尾。厳しい季節だけに嬉しさは格別。ヒットルアーは開発中のクレイジーフラッパー2inとモノスピンジグ3/32oz

 では、ラスバスをキャッチしたテクニックを詳しく解説します。

スモラバのズル引きがオススメ


 私がスモールラバージグをチョイスしたのには次のような理由があります。

 あくまで私のイメージですが、冬の魚は極力体力の消耗を避けるため、無駄に動きたがらない。それはヒレすら動かしたくないほどに。というのも、過去に真冬の河口湖で釣ったバスのお腹まわりにうっすら泥がついていたことがありました。よく見れば腹ビレの隙間に寄生虫も付着していました。それを見て「あなた泥の底にお腹つけて止まってたでしょ!」との考えに至ったのです。

 冬の魚は基本的にはボトムに腹をつけて止まっており、無駄に泳ぎ回ったりせず、目の前に来たものだけを食して過ごしているというのが私の持論です。最低限のエサは食べなければならないので、吸い込むだけで食べられるベイトなら口を使うでしょう。よって、3/32ozと重めのウエイトを使うことで、しっかりボトムをズルズル引きずって確実に魚の口の前にルアーを通します。そしてめでたく魚の目の前にルアーが止まって、その重い口を開いたとき、弱い力でもスポッと吸い込めるように全体のボリュームはコンパクトに、そして吸い込まれやすいようにラバースカートの着いたスモールラバージグをチョイスしたというわけです。

 選んだのはスモールラバージグのなかでもコンパクトなモノスピンジグ。トレーラーも2in~2.5inとコンパクトなものを選びます。それを消波ブロックの浅いほうへキャストし、消波ブロックの起伏に沿わせるようにズルズル引いてきます。そのときの動作は次のようになります。

①消波ブロックが透けて見えるあたりへキャスト。

②ラインは極力張らずに確実にボトムまでフォールさせる。

③着底したらイトフケを取り、ラインが張り始めたら、サオを立てながらズル引き開始。

④ボトムをサオのティップで感じられる速度でゆっくりとズル引く。秒速10㎝が目安。

⑤約10~15㎝毎にリグを止める。ちなみにリグを止める間隔を短くすればするほど消波ブロックの起伏に沿うようにズル引くことができる。

⑥リグを5秒ほど止めたら、再びサオでズル引き開始。冬のバスは、リグを止めているときに静かに吸い込み、その場でジッとしていることが多いため、「プンッ」や「スーッ」といったアタリがイトやサオに出ることは皆無。よってズル引き再開時にティップにかかる重みで魚なのか、ボトムなのか聞きながら再開する。

⑦ズル引き途中の根掛かりは、サオをその場で上下させラインを張ったりゆるめたりしてリグをゆすってやり「ポロッ」とはずす。いわゆる「ハングオフ」というテクニック。

⑧リグが手前によってきて、ボトムを感じることが出来なくなってしまったらリグを回収し、①に戻る。


maji-3 かじかんで感覚が麻痺しながらも、消波ブロックエリアでスモラバをズル引きます。サオ先の曲がりを感じながら、ボトムをイメージしゆっくりズルズルとリグを引きずってくる

 このテクニックは私の釣りの師である故・林圭一さんから教わったものです。KEITECHウェブサイト内のコラムにも動画付きで解説されておりますので興味のある方はぜひご覧ください。

 今回ご紹介したズル引きテクニックはワームフィッシングの基本テクニックだと思います。ぜひ、これを機会にズル引きをマスターして来るべきシーズンの釣りに役立てていただければ幸いです。

当日使用したタックル


ズル引きタックルはロッドティップの曲がりにこだわりたい
ma01a ロッド:ゴールデンウイングGWT72SLP+J“PowerPlus”(フェンウィック)
リール:ルビアス2506(ダイワ)
ライン:バウオスーパーハードスーパーフィネス4.5Lb(東レインターナショナル)

ズル引きに使うロッドはボトムを感じたときに、ティップが少し曲がるものが使いやすい。曲がらないとボトムを感じにくく、曲がりすぎるとボトムの引っかかりをスムーズにクリアできない。7ft2inのGWT72SLP+Jはロングロッドゆえにティップセクションが長く一連の操作が行ないやすいうえ、キャストの飛距離も出しやすい


しっかりズル引けるウエイトをチョイス ma02a モノスピンジグ3/32oz(ケイテック)
+クレイジーフラッパー2in(プロトタイプ/ケイテック)

水深2m~4mのハードボトムの起伏に沿ってしっかりズル引けるウエイトが3/32oz(2.7g)。開発中の2inサイズのクレイジーフラッパーを装着。フォール時やハングオフしたときにテールが確実に動き、魚にその存在をアピールする


ma03a モノスピンジグ1/16oz(ケイテック)
スイングインパクト2.5in(ケイテック)

水深によってはジグのウエイトを使い分けるのも重要。水深2mより浅い場所ではリグを1/16oz(1.8g)と軽くし、サオもティップが少しやわらかいもの、水深4mより深い場所ではリグを1/8oz(3.5g)と重くしティップも少ししっかりしたもの、と組み合わせていけば同じ感覚でズル引くことができます。トレーラーはシャッドテール系のワームも有効


 現在発売中のBasser2月号では、利根川でガイドを営む成田紀明さんが消波ブロック帯の釣り方を解説しています。「隙間」を味方につけるメタルバイブの操作法とは?


 

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