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青木大介が実践するフィネス・ビッグベイティング :第1回(全5回)

ボディーサイズによるアピール力が冬バスに効く

Basser編集部=写真と文
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ビッグベイトはその強烈な個性とアピール力から、バスの活性が高いハイシーズン用と思われがちだ。
しかし、青木大介さんは水温がひと桁台となる極寒の時期に投入し、驚くべき実績を残している。


この記事はBasser2010年4月号に掲載されたものを再編集しています。

なぜ、冬にビッグベイトなのか


 青木大介さんは年間を通じてもっとも気温が低くなる時期になると嬉々としてビッグベイトをキャストし、ハイシーズンでも難しい50cmオーバーを次々とキャッチしている。しかも、濡れたトレーラーが深夜のうちに凍ってボートのハルに張り付き、ランチングできなくなるほど冷え込む、極寒のハイプレッシャーレイク河口湖で、である。

 にわかに信じがたいが、実際、青木さんは毎年のように冬季の同湖において数多くの50cmオーバーをビッグベイトでキャッチしている。その釣りは青木さんのブログでも紹介され、多くのアングラーの注目の的となった。その一例を引用させていただこう。

D-Guide Service 2010.01.09より
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 浮いてきました初河口湖。朝は7時にボート屋湖波に到着したものの、この季節お決まりのボートとトレーラーのバンクが凍りつき、溶けるのを待って出船したのは10時くらい。冬のこの季節に僕が大好きな釣りであるビッグベイトのシャローゲームでほぼ1日やりきり!!

 奥河口湖から橋内まで、いいスポットをラン&ガン。天候は最高でしたが水温は平均で3.5℃。高い場所で4℃くらい。ウイードがまだまだ多く、やりにくい感はありますが投げ続けること6時間……。明確なバイトは昼に1発のみ。魚の姿も……。唯一3尾サイトで確認していたポイントへ夕方のラストチャンスに入りなおすと!! 出ました出ました、極寒真冬仕様のガングロ&ブリブリ君!!!! 53cm!!!!

 フィネス・ビッグベイティングで仕留めたりました~~。

 いや~~!! 真冬のビッグベイトゲームは相変わらずシビレます。



 ビッグベイトというと、多くのアングラーはバスの活性がすこぶる高いハイシーズンに、琵琶湖や池原ダムなどビッグフィッシュが数多く生息しているフィールド、もしくはビッグフィッシュが多く生息しているにもかかわらずプレッシャーが低い(ルアーにスレていないバスが多い)フィールドでの使用を思い描くだろう。つまりこれは、ハイプレッシャーレイクかつバスの活性が下がる冬は出番がほとんどないことと同義である。

 リザーバーや河川の場合、捕食のために上流の堰下やチャラ瀬に差してきたバスに対し、その上から落ちてくるベイトフィッシュを模してナチュラルドリフト(もしくはデッドスティッキング)させる方法が、琵琶湖などの場合はオープンウォーターに向かってフルキャストし、その集魚力を最大限活かしてステディーリトリーブを軸に時おりトゥイッチングを織り交ぜながら広範囲にアピールする方法が広く知られている。

 どちらにせよ、ビッグベイトと同サイズのベイトフィッシュがいる、しかもバスがルアーを視認しやすいクリアウォーターのフィールドであることが前提であり、食性に強くアピールする目的でビッグベイトを投入していることは共通している。

 これらを総合して全国的な傾向を俯瞰すると、条件を満たしているフィールドは関西以西に多く、関東では稀有な存在である。実際、関東のメジャーフィールドでビッグベイトを有効活用しているアングラーはごく少数だし、湖上でアングラーがキャストしている姿を見る機会は非常に少ない(キャストしていてもその時間はごくわずかだ)。これが冬になると、ほぼ皆無になると言っていいだろう。

 たいていのアングラーは冬の定番とされるサスペンドシャッドなどスローに探れるフィネス系のCCベイトか、ジギングスプーンなどのリアクション系をセレクトしている。もちろん、この定番を否定するつもりはないし、実際に有効なセレクトだ。青木さんのルアーローテーションもこれらのルアーを軸に組まれている。が、ある状況下では絶対的にビッグベイトに軍配が上がるというのだ。

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「ビッグベイトは、そのサイズと豪快な使い方から”バスの活性が高いとき限定”みたいなイメージが先行していますけど、それがすべてではありません。厳寒期にビッグベイトが効く決定的な理由は、ハイシーズン同様、ほかのルアーには変えがたいアピール力にあると考えています。バスの活性が著しく低下する冬季は、アピールしすぎず、かつバスの捕食本能をくすぐる食べごろサイズということでサスペンドシャッドが定番となっていますが、バスは季節を問わずデカいモノに対する特別なスイッチがあるんじゃないかと僕は考えています。同じ状況下でサスペンドシャッドを入れても見向きもしなかったバスがビッグベイトにだけ反応することが多々ありますから」

 たしかに、”オマエ欲張りすぎだろ!”と言いたくなるくらい、絶対に飲み込めないサイズのベイトフィッシュを口から半分出してもがいているバスを何度か目撃したことがある。そんなことからも、動き回って捕食を繰り返す体力がないため、1回の捕食でなるべく多くの栄養を補給したいとバスは考えているはずだからビッグベイトが効くのではないかと青木さんに聞いてみると、「冬はボディーサイズによるアピール力が決定的な要素であって、食性はあくまでも二次的な要素と考えています」と、その考えをやんわりと否定した。

 フラッシングや速く動かすことでのリアクションといったアピール力にはない、そこにあるだけでバスの本能を刺激する圧倒的な存在感――。これこそがほかのルアーには絶対に真似できないビッグベイトのアピール力であり、厳寒期のタフな状況でビッグフィッシュを狂わす根源なのだ。

no220_aoki-lure-01青木さんが多用するジョインテッドクロー

 また、ビッグベイトは、フルキャストしてただ巻きする場合、バスのチェイスを確認してもルアーを止めずにそのままリトリーブし続けないとバイトしてこないと言われてきた。止めるとバスに見切られてしまうというのがビッグベイトが一般的になり始めたころの定説だった。しかし、「ビッグベイトは本来もっと芸達者なルアーなんです。冬は、むしろしっかり止めないとダメだと思います」と青木さんは言う。

「巻き続けてしまうと活性の低いバスはルアーに追いつけません。チェイスしても追いつかないと判断すると途中で諦めてUターンします。これまでルアーを止めて見切られたことはないですよ。ただし、どのビッグベイトでも有効というわけではありません。冬の定番であるサスペンドシャッドのような繊細さを持ち合わせていることが重要で、スローにスイミングさせてもちゃんと動くこと、止めて見せて食わせられるリアルさがあること、トゥイッチなど小技にしっかり対応することが、僕が求めるビッグベイトの絶対条件です。そういう意味では、使うルアーこそビッグベイトですが、使い方や考え方は僕が得意とする完全なフィネスなんです」

 大げさかもしれないが、青木さんが実践しているのは、これまでのビッグベイトの常識を覆したフィネス・ビッグベイティングなのだ。



  
 


 Basser2月号の巻頭記事では、宮廣祥大さんが琵琶湖で62cmをキャッチ。マグナムクランクベイトの真価とは? 並木敏成さんが相模湖をモデルケースとして季節に応じたリザーバーの釣りを解説する「リザーバー・マネジメント」も好評連載中!


  
 

 

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