THE WILD CARD 市村直之選手のフットステップ
濁りの少ないエリアかつ増水で生まれたカバーを重点的に
坂田智行=レポート、サイト・ビー=まとめ 2016年8月26日(金)に行なわれた、Basser Allstar Classic THE WILD CARD。各選手に同船したプレスアングラーのメモをもとに、競技中の全選手の足取りを公開します!

市村直之選手
6:00フライト抽選で、1番をゲット。
「どこにでもイケるなぁ~。まだ決まってないけど」
①
6:40
■外浪逆浦西部
●4inシュリンプ(バックスライドセッティング)
●モコリークロー(5gテキサスリグ)
アシ撃ち開始。ワームは4inシュリンプのバックスライドチューン。
モコリークローのテキサスリグも随所に撃ち込む。
なぜこの場所に?という質問に、「ナサカは水がいい。流入河川は(台風の影響もあり)濁っててダメ」。
②
7:00
■外浪逆浦東部
「(アシの)外にいるのか?」
7:25
小移動。
「水位が無いなぁ。深いアシを撃つか? 水は圧倒的にいい」
7:30
モコリークローのテキサスリグで1kgフィッシュをゲット。


「ベイトはエビ。アシの奥に増水で避難したエビが出るとバスも出る。デカいやつはボラを食ってる。風が出てくればハートテイルを使ったボラパターンを考えている」
③
8:15
■和田岬北部
●4inシュリンプ(バックスライドセッティング
行きたい場所に先行者。
「ホントは、あっち(先行者の場所)に行きたい」
8:25
先行者が去ってから入りたかった場所へ入る。
「水がいいな」
4inシュリンプでアシ撃ち再開。

8:39
バイト。
「抜けた!!」
8:47
4inシュリンプで約600gをゲット。


「カワイコちゃんだったなぁ~。デカいやつは、フワッとさせるワームがいいような気がする」
ファットイカにチェンジ。
9:05
南側へ移動。
バイトがあるが、すっぽ抜ける。
「(魚の)サイズが小さいのか?」
④
9:30
■洲ノ野原
●ウルトラバイブスピードクロー(テキサスリグ)
アシ際を攻める。
ワームをモコリークローから、ウルトラバイブスピードクローにチェンジ。
モコリークローとウルトラバイブスピードクローの使い分けについて、「水深が浅い所は、スピードクロー。ちょっと水深がある所はモコリークロー。モコリークローはツメの太さがキモ」と市村選手。
⑤
10:10
■外浪逆浦南東部
●スピナーベイト
●チャターベイト系
「水が動いている。もしかして、いいんじゃないの?」
スピナーベイトでチェックし、4.5inフラスイマーをセットした、チャターベイト系にチェンジ。

ファットイカのノーシンカーリグでアシ撃ち。
「水が増えるのを待っている!」
10:20
杭周りでヒット。ロープに巻かれながらも、約600gをキャッチ。
「よっしゃ!ツイてる!」



⑥
10:30
■鰐川南東部
●チャターベイト系
4.5inフラスイマーのチャターベイトでアシ撃ち。
「ガマン!!」(結構デカい声で)
⑦
11:13
■外浪逆浦北部
「そんなに水位が下がると思わなかった」
⑧
11:42
■鰐川上流域神宮橋周辺
「アオコがスゴイな。中まで入っていなけりゃ良いけど」

②
11:51
■外浪逆浦東部
「(新しい魚が)入ってろよー」
12:05
「水位が段々と下がっている。深いアシを撃つか」
⑨
12:15
■常陸利根川息栖大橋周辺
「ここは水深があり、普段からアシ撃ちが効くポイント。でも、増水したことにより奥行きができてポイントが絞りにくい。今までの場所は、普段は陸地だったり、浅いシャローだったため、攻める場所が絞り込みやすかった」

12:32
■外浪逆浦西部

12:38
目の前で40cmupのボイルが発生し、テキサスリグを投げる。
見事バイトに持ち込むが、ランディング直前にフックオフ。
「サイアクっ!!!」
ホグ系ワームのリーダーレスダウンショットリグにて、バイトを得るがフックアップしない。
テキサスリグがセットされたロッドに持ち替える。
数投後、バイトがあるがフックアップしない。
「魚が小さいのか?」
13:16
エンジンを掛け移動……と、思いきや。
「やっぱ、この場所に賭ける!」
手に取ったロッドの先には、ハートテイルが結ばれていた。
ボラパターンを試すが反応なし。
⑩
13:45
■潮来マリーナ近くの石積みエリア
4.5inフラスイマーのチャターベイト系。
13:55
会場帰着。
市村直之選手の釣りを見て……
(坂田智行=レポート)
前日までの台風の影響による増水、濁り、急激な天気の変化。ネガティブな要素が重なった大会当日、市村選手は、水の色と水位、水流を気にかけていました。流入河川をはじめ、霞ヶ浦本湖は濁りの影響が大きく、濁りが少ない所をセレクト。
その場所は、外浪逆浦界隈がメインとなりました。霞ヶ浦本湖では、ワンドで濁りの影響を受けにくい和田岬。そして、流れのある常陸利根川でした。
キーは、「増水したことで発生したシャローカバー」。このシャローカバーは、普段なら陸地や数cmの水深しかない場所。ここにエビ系のベイトが入り込む。そのベイトを捕食しているバスをねらう、というプランでした。
使用するワームはエビ系、ホッグ系のモノを多用。ウルトラバイブスピードクローは、水深が浅いところ(目測で50cmまでのところ)。モコリークローは、ちょっと水深があるところ(80cmまでのところ)といった感じで使い分けていました。
また、中盤戦からは4.5inフラスイマーのチャターベイト系を展開。アシや石積み周りで使用していたので、カラーより波動を重視している、と私は読みとりました。
市村選手が、口癖のように呟いていた「水がいい」「水が減ってる」「水が増えてくれ」。これらの言葉から、ひとつのパターンを確立させたい思いが、強く感じ取れます。それはシャローカバーフィッシング。
終了後も本人の口から「シャローカバーにこだわり過ぎた」と1日を振り返ったコメントをいただけました。裏を返せば、状況さえ合っていれば優勝をねらえる爆発力をもっている釣り方だったといえるでしょう。
また、10:00ごろから発生した、水位の変化に気付きながらも、対処法が明確に見えず随分と苦しい展開になったと思われます。プレスにとっては、ただただ応援することしかできない状況……。
その応援は、いつしか自分も一緒に戦っているんだ……と感じたことを記憶しています。
アシ撃ちをする姿。ラインを見つめる姿には、呼吸を忘れるほどでした。魚を持ちこめた喜び、バラしたときの悔しさ。難しいパズルゲームを解くようなイライラのなかにあるワクワク感。市村選手の釣りを見ていると、自分も一緒に釣りをしている感覚になりました。
市村選手、本当にお疲れ様でした。同じ時間を共有できたことに感謝いたします。Basserスタッフの皆様、30周年の貴重な記念イベントに参加させていただき、ありがとうございました。また機会がございましたら、よろしくお願い申し上げます。
市村直之選手の成績
3尾2308g……11位
メインルアー

●バックスライドセッティング用
ロッド:7ft2in、MHパワーのベイトロッド
リール:メタニウムMGL XG L(シマノ)
ライン:エクスレッド14Lb(東レインターナショナル)
フック:リミット#4/0(リューギ)
ルアー:4inシュリンプ(ゲーリーインターナショナル)
●5gテキサスリグ用
ロッド:6ft7in、MHパワーのベイトロッド
リール:メタニウムMGL XG L(シマノ)
ライン:エクスレッド14Lb(東レインターナショナル)
フック:リミット#3/0(リューギ)
シンカー:スゴイシンカー5g(ゲーリーインターナショナル)
ルアー:モコリークロー(ゲーリーインターナショナル)
2016/9/17