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バスフィッシング全力投球!

ボートから落水! 実体験で得た教訓はこれです!

みんなライフジャケットは必ず着けて!【心からのお願い】

siteB担当アライ=文

 皆さんこんにちは。つり人社siteB担当のアライです。5月20日(日)に牛久沼たまやボートのサンデートーナメントに参加したのですが、ボートから落水し溺れかけるという恐怖体験をしでかしてしまいました。幸いライフジャケット(自動膨張式)を着けていたのと、たまたま通りがかった方が助けてくれたので事なきを得たのですが、無事に回避できた危険にも数々の教訓が含まれていると言います。

 そこで今回は当時の状況を振り返ってみますので、どうか笑わずに教訓を共有していただけたら幸いです。

当時の状況と事故の原因


 この日は茨城県・牛久沼のレンタルボート店、たまやボートの定例大会で、私はローボートにエレキ(推力55Lb)とミドルデッキの装備で大会に参加していました。

牛久沼。レンタルボートで釣りができるのは本湖に加え、そこに流れ込む西谷田川と谷田川(通称:東谷田川)のそれぞれ下流から2本目の橋まで。このエリア内であれば、川筋にもほとんど流れはありません

【釣り・ボート・落水】大会前スタート前の風景

 事故が起きたのは朝8:00ごろ。気象庁のデータによると当時の牛久沼周辺は4.8mの北北東の風が吹いていました。ちょうど東谷田川の上流から下流へ向けて吹き抜ける風です。

 朝イチはボート店の周辺(東谷田川下流域)で釣っていたのですが、本命のエリアが上流だったため移動しようと思いました。このときの波はローボートで釣りをするには少しつらい大きさでしたが、移動時は座って操船すること、波を正面から受ける方角へ進める状況だったことから、危険はないと判断。上流域に着いたら風裏で釣りをしようと、エレキのパワーを80%に設定しCONモードで巡航を始めました。

 よくなかったのはランディング用のラバーネットをエレキのヘッドにかけていたこと。波を乗り越えてボートが揺れるたびに位置がずれ、気づけばボートの外に落ちてしまったのです。

【釣り・ボート・落水】津久井湖 こんな感じ。写真は別の日の津久井湖にて

 そこからはあっという間です。「沈む前に拾わなきゃ!」と慌てて手を伸ばした瞬間、自分の想像以上にボートが傾き、拾おうとした勢いも加わってそのまま頭から転落しました。

【釣り・ボート・落水】こんな感じです。一部始終を目撃した小松さん(後述)によると、「でんぐり返しみたいにキレイに頭から落ちてました」とのこと

ライジャケは神


 落水した瞬間は今振り返っても恐ろしい! 全体的に浅い牛久沼とはいえ、川筋の真ん中で落水したため、足がつきません。ライジャケが自動で膨らんだため結果的に浮かぶことができましたが、転落直後は自分がどんな状態なのか全く理解できなくなるんです!

 自分が上を向いているのか下を向いているのかさえ分からず、「!?!?!?」としか脳が働かないなか、気が付いたら仰向けに浮かんで息ができるようになっていた、という状況でした! 運よく水を飲まず、パニックになる前に浮かぶことができました。

【釣り・ボート・落水】ライフジャケットちゃんと膨らんでくれたライジャケ

ライジャケにはさまざまな種類がありますが、アライが使っていたのは自動膨張式のウエストベルトタイプ。高階救命器具による落水実験動画で各タイプがどのように浮かぶのかを見ることができます

 もしライジャケを着けていなかったらと想像すると、落水直後の混乱のまま沈む→水中でパニック→水を飲んで溺死、というパターンがいちばん可能性が高かったと思います。

 さて、ひとまず呼吸が確保できたため、次にボートを探しました。エレキがCONモードになっていたため、スクリューはまわり続けているはず……。幸い、少し離れたところで1ヵ所をぐるぐる回っているようだったので、仰向きの姿勢のまま水を蹴ってボートに接近※1。これまた運よくスクリューから離れた船べりにとりつくことができました。船べりから手を伸ばしてエレキのスイッチをOFFにしました。

※1 ただし、スクリューが回りっぱなしのボートに近づくという判断が正しかったかというと疑問ですよね……。声を上げて周囲の人に知らせたうえでボートから離れたところで静かに浮いて助けを待ったほうがよかったと思います。

自力ではボートに上がれない!


 次にボート上に戻ることを試みました。舷側から上がろうとすればボート自体がひっくり返ってしまいます。船べり伝いに船尾へ回って這い上がろうとしましたがどうあがいても船尾からは上がれませんでした。

 足を掛けられるところがなにもないうえ、防寒着(5月なのにかなり寒かった)が水を吸ってめちゃくちゃ重くなっていたのです。

【釣り・ボート・落水】重い防寒着ボンネットで乾かし中の水を吸った防寒着。フリースのジャケットがとくに重く、持った感じ4㎏はありそうでした

 ならばと船首へ。エレキのモーター部に足を掛けて上がろうとしましたが、これも無駄な努力でした。たしかに上半身くらいまでなら水面上まで出せるのですが、そこからボートを傾けずに上がる方法がわかりません。もしかしたらうまくいく方法もあったのかもしれませんが、着衣で身動きが制限され、試すことも困難。

【釣り・ボート・落水】上がれない船尾から上がるのを諦め、エレキのある船首から這い上がれるか試みる、の図。これ以上身体を持ち上げようとすればボートごと転覆の危険がありました。そもそも濡れた着衣で思うように動けないし、その重さを背負って登れる力も……

 ボートを放棄して岸まで泳ぐという選択肢も頭をよぎりました※2が、通りかかったボートがこちらに向かって来てくれているのが目に入ったため、助けを待つことにしました。

※2 今になって思い返すと、岸まで体力が保ったかどうか怪しいです。着衣で身動きが制限されていたうえ、ボートに上がろうとして体力を消耗してしまっていました。また、水を吸った防寒着を着た状態では、腰巻式のライフジャケットの浮力と浮き姿勢は想像よりも頼りなく感じました。泳いでいる最中にバランスを崩せばうつぶせにひっくりかえってしまう可能性もあり得ます。やはり静かに浮いて助けを待ったほうがよかったと思います。

 試合中にもかかわらず助けに来てくれたのは小松秀和さん。自身の14ftボートを無人のローボートに横づけし、まずは安全に這い上がれるようにと私のボート上の釣り具を片付けてくれました。次にボートが揺れないよう押さえてくれたので、私は反対側からエレキのモーターに足を掛けて上体を起こしました。さらに小松さんが手をつかんで引っ張ってくれ、やっとのことでボートに上がることができました※3。本当にありがとうございました。

※3 小松さんが乗っていたのは安定性の高い14ftのジョンタイプだったのでよかったのですが、この方法は失敗すれば救助者ともどもバランスを崩して落水してしまう危険性が否定できません。事故がどこで起きたかにもよりますが、その場で無理にボートに上がろうとせず、浅瀬まで引っ張ってもらうという選択肢も検討したいです。

【釣り・ボート・落水】安堵 ボートに上がれた安堵でニヤケ気味になっているアライ。救助・撮影は小松秀和さん。お礼を伝えると「いいんですよ。これを機会に友だちになってくださいよ」とひと言。イケメンすぎか!って思いました。このあとFacebookで友だちになりました

おもな教訓


・ライジャケを着けていれば生存、なければ死ぬ

・自力でボートに這い上がるのは不可能

・助けを呼んで「浮いて待て」

 実は私は海上保安庁の訓練プールで行なわれたライフジャケット着用体験会に参加したことがあり、「浮いて待て」の標語はそのときに教えてもらったもの。まさか自分が経験するとは夢にも思いませんでしたが……。そのときの模様はBasser2015年2月号で記事になっていますので、siteBでも後日公開したいと思います!

 これから水辺で遊ぶ機会が多くなる季節ですが、その際はライジャケを必ず着けましょう!!

◆平成30年2月1日から、ライフジャケット着用の「全面義務化」がスタートしています。国土交通省が試験を行って安全基準への適合を確認した印である「桜のマーク」が入ったモデルを必ず着用しましょう。詳しくは国土交通省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr6_000018.html)で確認できます。

◆Basserロゴ入りライフジャケットも作りました。詳しくはこちら

 
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2018/5/22

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最新号 2019年10月号

【今月の研究テーマ】
虫・カエル・ネズミ

小動物ルアーの使いこなしがわかる1冊です。バスフィッシングの多様化により近年ますます存在感を増してきこれらのルアーですが、そのサイズ感や、表層付近をメインステージとする特性上、使い方や出しどころによっては思うような釣果を得られないことも少なくありません。しかし、今号の記事を読んで実践すれば、これらのルアーが「釣れる」ことを体験、実感できるでしょう。
たとえば、浮く虫ルアーと沈む虫ルアーはどのように使い分ければいいのか。その判断を正確に行なうための理論とバスの観察の仕方が、大塚高志さんの記事読めばわかります。
「野良ネズミとフロッグの違いと使い方は?」
「虫ルアーの有効な使い方ってサイト以外にあるの?」
「フッキングやバイト率を上げるための秘密やチューン方法はある?」
「小動物ルアーって具体的にどんなのが売ってるの?」
こんな疑問をもつ方も、必ず手に取りたい内容となっています。
また、アメリカ在住のトーナメントウォッチャー・雨貝健太郎さんによるBPTとB.A.S.S.のレポートが読めるのも『Basser』だけ。とくに今号では、日本人選手がボーターとして9名エントリーしている注目のセントラルオープン第3戦の模様を16ページの大ボリュームで詳報。
青木大介さんが4位入賞を果たすきっかけとなったプラクティスでの気づきと試合中のアジャスト。そしてランキング暫定1位でこの試合を迎えた伊藤巧さんの苦悩と葛藤が、本人のインタビューも交えてレポートされています。
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