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中村哲也×池原貯水池 冬の巻きモノゲーム :第3回(全5回)

総リトリーブ距離10kmの果てに

Basser編集部=写真と文
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降雪や路面凍結で時に辿り着くことさえ困難になる、冬の池原貯水池。
ガイドが凍りつき、レベルワインダーがカキ氷機と化した2011年12月28、29日の2日間、中村哲也さんに冬の一発をねらってもらった。
今回は取材当日の模様をドキュメント形式で紹介したい。


この記事はBasser2012年3月号に掲載したものを再編集しています。

クリスマス寒波直後の池原


 当取材を行なった2011年の12月28、29日は、同年のクリスマス前後に強い冷え込みと降雪をもたらした寒波が過ぎ去った直後だった。その寒波の最中に雪が降るなかで池原貯水池を釣ったときの中村さんの手応えは悪くなかった。27日の夜に現地で合流したときの話では、「1日やりきれば3、4発は当てられるはず。今日、核心部をちょっと叩いてみたら、明日に残しておかなアカン50㎝ジャストがディープX300に食ってきてしまって(笑)」と、その表情は明るかった。

 明けて28日の池原は久しぶりの快晴に恵まれた。風もなく、一見したところ絶好の釣り日和である。しかし、出船前「シャローの水温上昇が勝つか、高気圧が勝つか……」と中村さん。

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 シャローの水温上昇のほうが好条件として働けば、バスはアグレッシブにルアーに反応するだろう。しかし、高気圧が勝てば、バスの活性とレンジが下がってしまうタフな展開になってしまう。雪が降るなかで手応えを得ていた中村さんにとって、イヤな予感のほうが大きかったことは、その口調から明らかだった。

243-naka-016 朝イチ、水温は備後筋の上流で12.6℃。意外に高いが、これはほぼ例年どおりだという

243-naka-015 朝の気温は氷点下。深い山あいの湖面にはなかなか光が射し込んでこない。寒い……

243-naka-017 ガイドが凍る、ラインも凍る

243-naka-018 レベルワインダーに氷が溜まっていく

 結果、取材1日目は7時スタートの16時30分あがりで、ディープX300にワンバイト・ノーフィッシュ。ほとんど休むことなくキャスト&リトリーブを続け、中村さんがルアーを引いた距離は概算で7~8kmにも及んだのだが……。

「高気圧が勝って魚が落ちた。ウソみたいに釣れんくなった。今日みたいな状況に出くわすと、釣り人って非力やなぁ、と思う。これだけやりきってのこの結果やから、正直、明日どうするか迷ってます」


 翌29日は日本海側から低気圧が進んできていたが、朝の天気は前日と同じく快晴無風。そして、ひと晩迷って中村さんが出した答えも、前日と同じく巻き続けることだった。しかも、回るエリアもねらうレンジもとくに変えないという。

「ディープフラットでとりあえず、ってのはナシ。広い池原やけど、冬にええ場所は限られてるから、あたふたするのはよくない。基本、バスは同じ場所にいてレンジだけ上下してる。けど、1日釣れんかったからって、深いほうを探ってみたりもしません。昨日は高気圧が勝ったけど、2日続けばバスも慣れてくるはず。負けっぱなしやないと信じて、今日も巻いていきますよ」

 積み重ねてきた経験への信頼・プラス・冷水に泳ぐバスの生命力への信頼。たしかに、冬の釣り場でアングラーが頑張るためには、自分の中にある「強さ」だけでなく、バスの「強さ」を信じることも大きな支えになる。

 取材2日目の出船は6時30分。ディープX300が48cmのバスに「当たった」のは9時の白川筋中流、中層の水深4m。2日間の総リトリーブ距離が10kmに達したときのことだった。

243-naka-010 取材2日目、9時。総リトリーブ距離10kmの成果が、リアフック1本掛かりで宙を舞う。バスに「ヤメてくれ! 頼んます!」、記者に「バラしたらゴメン! バラしたらゴメン!」

243-naka-012 48cmのバスは、中村さんが数えきれないほど釣ってきたサイズのバスだ。けれど、この魚には本気の喜びと感謝と、その後の脱力と放心があった。1尾の価値は時価だと思う

toboto トボト・スロープ
奈良県吉野郡下北山村上池原小川原880
営業時間:日の出から日の入りまで(季節により変動)
レンタルボートの受付時間:~19:00
池原貯水池のほぼ中央に位置する、各川筋へのアクセスが良好なレンタルボート&ボート昇降施設。スロープは幅員6mで大型FRP艇にも対応する。ウェブサイトには釣果情報だけでなく、水温や水位、また、周辺道路の路面状況などが日々アップされているので、釣行の際はぜひチェックしたい




  
 
 


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2017/1/23

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