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バスフィッシング全力投球!

松本幸雄さんが解説! 厳寒期のビッグベイトゲーム

真冬のリザーバーはI字系で攻略せよ!

Basser編集部=写真と文
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松本幸雄さんが真冬の房総リザーバーで実践しているのはビッグベイトのI字引き。厳寒期の1尾へ近づく方法を、独自の理論とともに解説してもらった。

この記事はBasser2019年4月号でも読むことができます。

フィネスは「コタツのみかん」、ビッグベイトは「石焼き芋」


 2018年夏の段階で企画されていた2019年4月号のビッグベイト特集

 「釣果が出やすい季節のうちに取材を」ということで、編集部が松本幸雄さんに取材のタイミングを打診したのが秋口のこと。そこで帰ってきたのは意外な返答だった。

松本「どうせなら、冷え切った真冬にやりましょう。たしかに簡単ではないですが、真冬はビッグベイトの強みを生かしやすい季節です」

 バスの活性(運動能力)が極端に低くなる冬は、バスの口もとまで小さいルアーを運んでなんとか口を使わせるフィネスな釣りが優位とされやすい。

松本「真冬のフィネスはいわば『コタツのみかん』なわけですよ。暖かいコタツから出ることなく、手を伸ばすだけで届くエサ。一方、ビッグベイトは『石焼き芋』のような存在。コタツから家の外まで出てでも食べたくなってしまうようなものです。石焼き芋の車のように『石焼~き芋~♪』と大音量(=大きい存在感)で、しかもゆっくりと時間をかけて引けるビッグベイトなら、この時期でもバスを引っ張って食わせることができるんです」

matsumoto 松本幸雄(まつもと・さちお)
1982年10月23日、群馬県生まれ。千葉県在住。トラウト、ナマズ、アジングなど幅広いジャンルでその名を轟かせるマルチアングラーで、近年はバスフィッシングにハマっている。三島湖などの房総リザーバーに通い、2018年は年間で50㎝アップを約50尾という驚異の釣果を上げている。ビッグベイトやマグナムクランク、ビッグスプーン、フルサイズジグなど「デカいルアーでデカいバス」を釣るのがめっぽう得意。さまざまな魚種に触れることで蓄積した独自の理論が大きな武器


松本さん愛用の冬のリザーバー攻略用ビッグベイト


02 上から……
①NZクローラー(デプス)
3ozの自重とハネによる強力な水押しで、バスをコールアップする力が非常に強いルアー。冬にメインになるルアーではないが、活性が高い時間帯などはチャンスあり

②ブルシューターJr(デプス×フレッシュベイトルアーズ)
ブルシューターJr にギルの生皮を張り付けたスペシャルモデル。これは水面~水面直下でのS字やジャークなど、通常の使い方で使う

③ブルシューターJr(デプス×フレッシュベイトルアーズ)
こちらはウエイトを貼り、ジョイント部に輪ゴムをかけることで可動域を狭くしI字の動きを出しやすくしたもの

④スライドスイマー175(デプス)
スローシンキングモデルを使用。フックにスピナーベイト用のスカートを被せることでS字の動きが抑制されてI字系ルアーに変化する。ルアーを目視できるレンジをスローに巻く

05 スライドスイマー175にはスピナーベイトのスカートを装着したフックを取り付ける。カエシはすべてペンチで潰してバーブレスにする

08 水を強く掻くNZクローラーは、数あるトップ系のビッグベイトのなかでもバスを浮かせる力が非常に強い

冬のエリア選択


 取材を行なったのは1月中旬の豊英湖。朝の気温は氷点下で日中の最高気温もひと桁。水温は6℃と、文句なしの真冬である。

 結果から書くと、この日松本さんがバスをランディングすることはなかったが、この季節に3回もバスを反応させてみせた。明確なバイトも1回あったのだが、惜しくもフックアップせず……。

 ここからは、松本さんが実践していた具体的なテクニックやアプローチを解説していく。

 まずエリアに関して、松本さんが冬に釣るのはおもに水深のあるアウトサイドベンドだ。しかし、冬に限らずデカバスは通年水深のあるエリアにいることが多いという。

10 11 冬のリザーバーでねらうべきは、水深のあるアウトサイドベンドに絡んだ立木やウッドカバーなど。それに水面を覆うマットカバーが絡めばかなり期待できるスポットと言える

松本「バックウォーターなどの例外は除いて、デカいバスは深いエリアのどこかのレンジに浮いていることが多く、ボトムにいることは少ないように思います。シーズン中はバスが泳ぎ回っているので沖の釣りがメインですが、冬はカバーに着きやすくなるので、岸近くを釣ります」

 松本さんがまず向かったのは東筋中流のアウトサイドベンド。凹凸に富んだ岩盤にカバーが絡んでいる。下見ではここで複数回バスの反応を得たという。

松本「冬は、ほかの季節より魚が動きにくいです。というか決まった範囲からはほとんど出ないでしょう。できるのは縦方向の上下動のみで、横方向の移動は体力的に厳しいんでしょう。よって、バスは水深のあるエリアのなかでも上下動する際に寄り添える縦ストラクチャー(岩盤や立木)に着きます。そこに放射冷却を防いでくれる浮きゴミなどが絡んだら最高ですね」

 ビッグベイトのI字使いがメインのお題だったが、松本さんのファーストキャストは巨大なハネモノ、NZクローラーだった。

07 最初に手に取ったのはNZクローラー 

「シーズン中に房総リザーバーで最も50㎝アップを釣らせてくれたのがこのルアーです。とにかく水押しが強く、存在感が出せるので、沖の中層を泳ぐビッグバスを表層まで引き出すパワーがある。冬向けのルアーではないですが、朝に活性の高いバスがいれば可能性があるので試してみます」

09 冬はバスがモノに寄り添うため岸近くを釣るのが鉄則だが、沖の浮桟橋やブイなども積極的に通す。「夏ならここで50㎝アップが飛び出てるはずです(笑)」

 小一時間ほどNZクローラーでカバー周りや沖のフローティングストラクチャー周辺を探るも反応なし。そこで松本さんが取り出したのが、I字用にチューンされたスライドスイマーだった。

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I字の理由とアプローチ


 そもそも、ビッグベイトをI字で泳がせることにはどのようなねらいがあるのだろうか。

松本「冬のバスは激しく動くものを嫌う感覚があります。バスに気付かせるためにビッグベイトのボリューム感は必要ですが、動きに関してはなるべく弱いほうがいい。これはワームに関しても同じ考えで、冬ほどビラビラ、ブルブルとしないワームのほうが有効です」

 松本さんはビッグベイトをI字引きするため、ベースがS字系のビッグベイトにチューニングを施すことが多い(通常の状態でI字に引けるビッグベイトはほとんどない)。

 メインに使っているのがスライドスイマー175のスローシンキングモデル。このルアーの前後のフックにスピナーベイトのスカートを装着することで、水の抵抗によりS字アクションが抑制され、ゆっくり引くと綺麗なI字アクションが出るようになる。

01_2 水面下50㎝~1mをブレることなくI 字に泳ぐスライドスイマー175

 そのほかに多用するのがブルシューターJr。ボディーのジョイント部に輪ゴムを巻くことでI字アクションがさせやすくなる。スローな使い方がメインのスライドスイマーに対し、ジャークなどでバスに仕掛けるアクションをさせやすいルアーでもある。

 スライドスイマーの基本的な使い方は、着水後ねらうレンジまで沈めてからラインスラックを出してゆっくりと巻くというもの。チェイスなどに対応するため、基本的にはルアーを目視できるレンジを引く。

16 I字引きの際は、ロッドは立て気味でラインスラックを出しながらスローに巻く

 松本さんの釣りを見ていてとくに印象的だったのが、ボートの進行方向にキャストするときと、ボートの真横にキャストして、そこから引っ張るように後ろからルアーを引いてくることがあったことだ。

 リザーバーはもともと川のため、基本的には上流から下流へ流れが生じている。バスは上流を向いている前提で松本さんはバスへのアプローチを考えている。岬や張り出しなどの先端についているバスは活性が高く、自分の正面(上流)から向かってくるルアーに強い反応を見せる一方で、岩盤のくぼみやカバーの奥にいるバスは活性が低いため、自分に正面から向かってくるルアーは嫌がり、反応しにくい。このようなバスには背後(下流)からルアーを通してやる必要がある。

 たとえば上流へ向かってボートを流す場合、張り出しの先端のバスをねらう際は進行方向へルアーをキャストしリトリーブする。逆に、くぼみなどにいるバスをねらう場合は、バスの後ろからルアーを通すために、まるでドラッギングのようにルアーを引くことになるのだ。

14 15 ピッチング、サイドハンドキャスト、バックハンドキャストなど、理想のトレースコースを引くためにさまざまな角度からねらったスポットを射抜けるキャストスキルが重要になる。松本さんは、オーバーハングに潜り込んででもねらったコースを通そうとしていた

 また、ボートポジションが岸にかなり近いことも意外だった。大きいルアーでバスをねらう場合、できるだけプレッシャーを掛けないように遠くからねらったほうがよさそうなものだが……。

松本「むしろ逆です。ルアーの存在感が大きければ大きいほど、バスはアングラーの存在を気にしなくなります。ビッグベイトの存在感は、それだけバスの目線をルアーにロックさせてしまうパワーがあるんです。小型のルアーの場合はバスの興味をルアーに集中させることが難しいので、できるだけ遠距離からのキャストが有効になります。
 たとえば今話題のバラム(300㎜のジャイアントベイト)の8トラップ釣法なんていい例ですよ。あれだけルアーがデカいから、船べりでもバスを狂わせ、バイトさせることができるんです」

バスとルアーの距離感


 ビッグベイトの釣りで悩ましいのが、チェイスしてきたバスにどう口を使わせるか、ということである。

 フォローとして小さいワームを投げ込む、という方法はもちろんあるが、今回はどうすればビッグベイトにバイトさせられるかを松本さんに聞いてみた。

松本「チェイスの回数に対するバイトの少なさは、この釣りではある程度仕方がない部分もあります。ですが、とにかくバイトまで持ち込みたいのであれば、バスの反応の仕方に合ったアクションを入れてやることです」

 大まかな操作としては、以下のようなパターンがある。

①勢いよくルアーに向かってくる
 バスがルアーとの距離を素早く縮めてきたら、そのままルアーを一定の速度とレンジで泳がせ続ける。そのまま食ってきてくれる可能性が高い。

②ルアーとの距離を保って追尾してくる
 ビッグベイトのあるあるパターン。このようなときは、ルアーの軌道を変えて水面方向へ逃げるように引いてやると、それまでのんびりしていたバスが「行かないで!」と焦ってバイトしてくることがある。

③バスがルアーから目線を外す
 バスがルアーに興味を失って目線を切ってしまったときは、ワンジャークを入れてやる。そうすることでバスの側線にアピールし、もう一度興味を引くことができる。

松本「エリア選択さえ間違わなければ、ビッグベイトは比較的簡単にバスを反応させられるルアーです。そこからもう一歩間合いを詰めさせる経験とテクニックを身につければ、釣果は確実にアップするはずですよ」。

[松本さんの使用タックル]


tackle ①左:近距離/レンジ浅
ロッド:999.9ホワイトウルフ60 20Lbクラス
リール:カルカッタコンクエスト201HG(ダイワ)+PGハンドル
ライン:アバニキャスティングPE SMP4号+ショックリーダー(ナイロン/ひとヒロ)80Lb

②中:中距離/レンジ中
ロッド:999.9ホワイトウルフ74 16Lbクラス
リール:カルカッタコンクエスト101HG(シマノ)+PGハンドル
ライン:アバニキャスティングPE SMP3号+ショックリーダー(フロロ/ふたヒロ)30Lb

③右:遠距離/レンジ深
ロッド:999.9ホワイトウルフ78 20Lbクラス
リール:スティーズA TW 1016SHL(ダイワ)+PGハンドル
ライン:ガノアアブソルート20Lb

※ロッドはロデオクラフト、リールハンドルはオフィスZPI、ラインはバリバス製。リーダーとメインラインはFGノットで結束。ロッドは短いほど近距離でのキャスト精度が上がり、ルアーに細かいアクションが付けやすい。ロングロッドはロングディスタンスで飛距離を出したいときや、ロッドワークとラインメンディングでトレースコースをコントロールしたいときに有利。ラインはルアーをどれくらい潜らせたいかで使い分ける。PE+ナイロンは水面~水面直下、PE+フロロは~約1m、それ以上深いレンジを攻めたいときはミチイトにフロロを使う。スライドスイマーのI 字引きでは②のタックルがメインだった

toyofusa 豊英湖釣り舟センター
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