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「ギルの死んだふり」と「バスのキャッチボール」

ビッグバス世界記録保持者・栗田学さんが語るブルーギル

Basser編集部=写真と文
栗田学さんはバスのI.G.F.A.タイ記録保持者であり、事実上の世界記録保持者である。
そのレコードフィッシュを琵琶湖で釣ったときの釣法は、ブルーギルをエサにした泳がせ釣りだった。
そんな栗田さんが記録級バスをねらうなかで経験したバスとギルにまつわる興味深い話を教えてもらった。


この記事はBasser2014年9月号に掲載したものを再編集しています。

kurita 解説=栗田 学 (くりた・まなぶ)
2008年4月6日にルアーによる当時の琵琶湖記録8480gを樹立。その翌年、2009年7月2日に、ライブベイト(生きたブルーギル)によって10120g(≒22Lb5oz)をキャッチ。77年の長きにわたって破られていなかったI.G.F.A.のバスの重量記録(22Lb4oz)を事実上更新した(新記録認定には現行記録より2oz上回らなければならないため、公式にはタイ記録。画像はBasser2009年9月号より)。岐阜県第2024号遊漁船業務主任者。

ライブベイトとしてのギル


 

dsc_7279 世界記録のバスに食わせたエサギルは25cm級のビッグサイズだったそうだが、「ギルもギル型ルアーもデカけりゃいいってもんじゃ絶対にないです」と栗田さん。額の張り具合がブルシューターっぽい写真のモデルは河口湖産のギル

「エサなら簡単に釣れるんじゃないの?」

 そう思われるかもしれないが、圧倒的に数が少ない記録級の魚に巡り会うことがそもそも難しいうえに、巡り会えたとしても、賢いからこそ大型化できた個体に口を使わせるのは並大抵のことではない。そして、エサにされたギルも、バスに食われまいと命懸けでアングラーの意に反した行動をとる。

「ギルはバスと近しい関係にあるので、この魚はなんというかバスをあしらう術に長けてるように思います。こういうふうに動いたらバスの興味を惹きにくいとか、逃げるときはこうすればいいとか。だから僕にしてみたら、ギルはめっちゃ扱いにくいエサです。

 ハリを掛けたギルをバスの近くに送り込んだとき、ギルがとる行動は大きく分けてふたつ。多いのは『障害物を使って逃げる』パターンです。デカい障害物を回り込むように逃げてバスの視界から消えたり、バスが入ってこれない隙間へ逃げ込んだり。イトを背負ったままウイードに突っ込んで、自分からモだるまになろうとするギルもいます。やってみればわかりますけど、ウイードに逃げ込んだら偶然イトにウイードが引っ掛かったとかそういうレベルじゃない。絡まろうとしてやっとるとしか思えんのですわ。

 もうひとつが『死んだふり』ッスね。バスの存在に気づくと、ギルがピクリとも動かんようになって、凄いヤツになるとぷか~っと浮いて水面で横倒しになったりもします。それで、そんなギルに違和感を覚えたバスがスーッと泳ぎ去ってしまうと、途端に元気になってフツーに泳ぎだしたりするんですから、ギルって相当賢い。バスに向かって『ボク、釣り人にハリ掛けられてもうダメ……。食うなら食ってもいいけど、ハリに気をつけてくださいね~』って言うとるみたいですもん、ホンマに(苦笑)」

バスに遊ばれていたのは……


 ギルの「危ないよアピール」がなかったとしても、バス自体も学習能力の非常に高い魚だ。とくに大型の個体は、アングラーを小馬鹿にしたような行動を見せることがあるという。

「『バスのキャッチボール』って知ってます? 僕は今まで3回やられてますし、ほかにも同じことをされた人がいます。ギルをキャストしたら、60cmくらいのバスがワラワラっと10尾くらい湧いてきて、ギルを遠巻きに囲んだんです。ギルはウイードに逃げ込もうとするんですけど、その行き先にはバスが待ち構えてて、Uターンした先にもバスがいる。そのうち1尾のバスがギルにパーンって体当たりしました。はたかれたギルが水面から飛び出すくらい強烈に。で、着水したギルにほかのバスがまた体当たりして、弾き飛ばされたギルが着水して……、その繰り返しです。

 これは弱らせてから食おうとしてるとかそういうことじゃないなと感じたので、ギルを回収してハリを外して水に入れてみたら、すぐにバクッと食われました。

 うわ~、バスっておっかないくらい賢い魚やなって思いました。最初はバスがギルで遊んでるのかと思ったんですよ。でも、同じギルなのにハリを外したらすぐに食った。てことは、バスに遊ばれてたのはギルじゃなくて僕、釣り人のほうです。バスは、釣り人とハリとイトとギルの意味がわかっとってやってる。デカいバスっておっかない。アレを見てしまうと、僕がたまに釣れるのも偶然なんやなって思います」

ギル型ルアーをどう使うか


「ギル型ルアーがたくさん売られるようになりましたけど、僕はブルシューター(デプス)にはまだまだ記録級のバスが釣れる可能性があると思います。

01a ブルシューター160(デプス)
160mm、3.7oz(スローシンキング)、3.5oz(フローティング)

 ビッグベイトの類いは、たくさんのアングラーが使うようになると威力が落ちます。けど今はまだ、たくさんの人が持っていても、全員が投げ倒して使いこなしてるわけじゃないところが救いですね。ニーゴーマル(スライドスイマー250)も「どう使うの?」とか「チェイスはあるんだけど食わない」とかよく言われますけど、そういううちはまだ大丈夫。ニーゴーマルもブルシューターも釣れる。ただ巻くだけでバンバン釣れる時期が過ぎただけやと思います。

 ふわ~っと浮いてるギルが突然バスに襲われることももちろんあります。でも、自分からバスにスイッチを入れてしまうギルは、動きが変にキビキビしてたり、ピューッと泳いでたりすることが多いですね。『死んだふり』の逆です。

 そういうことを知っててブルシューターを使うと、ゆっくりただ巻きとかは本当にデカいのには通用しないと思うんで、グリグリメソッドや速巻きをすることが多くなります。デカバスの視界の中で、こんな食われそうな泳ぎをしてくれるギルはおらんスからね」

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