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川村光大郎×高滝湖 食わせとナチュラルリアクション :第4回(最終回)

「カバーの中でメタルジグをシャクれたら……」

Basser編集部=写真と文
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バスの口を閉ざす重圧(=プレッシャー)には、低水温に代表される環境要因とアングラーによる人的要因の2種類がある。
そのいずれにも対応して難解な状況下でも確実にバスを手にするのが川村光大郎さんだ。
この記事では、2010年2月に行なった高滝湖でのオカッパリ取材の模様を紹介しよう。
最終回は、取材当日に川村さんが実践した「ナチュラルリアクション」のテクニックを解説する。


この記事はBasser2010年4月号に掲載したものを再編集しています。


ナチュラルリアクション
●テキサスリグのシャクリ釣り


 大和田ワンドの水面は厚く密度の高いマットカバーに覆われていた。パッと見、その下に水があるのかさえわからないほどの、1oz級のテキサスリグを叩きつけたくなる光景だ。

 しかし、川村さんがリグったのはドライブクロー3inの8.8gテキサスリグ。

「いや、1ozとかはダメですよ。ここのマットの下は水深があまりないですし、この水温ではバスのほうからルアーに寄ってきてくれることも期待できません。だから、テキサスリグを入れたスポットの至近距離にいるバスに、リアクションで無理やり口を使わせるしかないんです。なのにパンチングしてしまったら、そこにいるバスをビビらせてお終いです」

 こう言いながら、川村さんはテキサスリグをフリップし始めた。よく見れば、マットカバーに黒くポツポツと隙間が空いており、川村さんはそこをねらってリグを水中に入れている。そして、タンッ、タンッと、ラインスラックを弾くようにシャクりだしたのである。まるで、メタルジグをそうするように。

「カバーの中にいて、食わせが効かないほど活性が低いバスをどうにかできないものかとずっと考えてたんですよ。カバーの中でメタルジグをシャクれたらな~、と。その方向でいろいろ試したんですけど、結局メタルジグのスピードを殺さずに、スナッグレス性能を高めるのは無理だと諦めました。それに、メタルジグの場合、横方向にスライドしてしまうのもどうなのかな、と。ブラインドの釣りなのであくまでもイメージですけど、理想は、バスの口もとでスピーディーなアクションを連続で行なうこと。だったらと、単純にテキサスリグをシャクってみたのがきっかけです」

 テキサスリグをシャクってみた結果はどうだったのか。

「なんだこれでよかったのかと拍子抜けするくらいよく釣れました。12月に入っても、年の瀬が押し迫っても、1月になっても効きました。で、今日(2月8日)ですよね。なんか朝からよく釣れちゃってますけど(笑)、この水温で釣れたらリアクションの効果は本物でしょう」

k-013 ツメの先をソフトベイト用のマーカーで染めていた。「明滅効果を増すためです。ツートンカラーもすごく効きますよ」

 繰り返すが、取材当日の最低水温は3.8℃である。風がなく、陽射しもあったので、午後になって水温は上がっているはず。けれど、それでもおそらくは4℃台。川筋やボディーウォーターで大型ばかり釣れているのも、小さい個体の活性が食わせに反応できないほど低いことの裏返しとも考えられる。

 テキサスリグをフリップし、タンッ(×5回)とシャクって、ピックアップ。マットカバーの隙間を探しながらこの動作を繰り返す。そして、釣りをしながら「バイトが多いのは2、3回目のシャクリです」と解説していた川村さんがガツン!とアワせた。ハリ掛かりしたバスは一瞬、マットカバーの裏側でスタックしたが、川村さんがスティーズ・ハスラーを深く曲げて耐えていると、やがてカバーを破って30㎝クラスのバスが飛んできた。

 さらに“テキシャクリグ”を続けること10分で同サイズをもう1尾追加。

k-010 大げさではなく水面が見えないほどのマットカバーの下でバスを掛けた

k-011 バスが飛んできた跡。下にはちゃんと水があったのね、という感じ


リグの上下幅はボトムから約10㎝! k-015 k-014 シャクるときの手もとの動きは写真のように小さい。上下幅30㎝ほどのティップの動きで、タンッ、タンッ、タンッ、タンッ(5回まで)とラインスラックを弾くようにシャクる。水中でテキサスリグが上下するボトムからの高さはおよそ10㎝(シャクるたびにボトムをとること)。「バイトがあるのはほとんど2~4回目なので、5回シャクってアタリがなければ、粘らずに次のスポットを撃ったほうがいいです」

k-016 テキシャクリグでもう1尾!

kawamura_dsc_3547 ドライブクロー3in(O.S.P)
パワーステージ#2/0(フィナ)
+8.8gタングステンバレットシンカー
ボーンラトラーS(ザップ)
+シンカーストッパー
バレットシンカーはタングステン専用の染料でマットグリパンカラーに塗装している。また、シャクリ釣りと通常のカバー撃ちではセッティングが異なる。リアクションで口を使わせるシャクリ釣りの場合、送り込まずに即アワセするので、すっぽ抜けを減らすために通常の#1/0から#2/0にフックサイズを上げている。そして肝心なのが、ガラスビーズを使わないことである。シャクリ釣りでビーズをセットすると、ラインに傷が入ってブレイクしやすいからだ


kawamura-lure02 ガラスビーズの代わりに、写真の位置から頭の方向へ(フックをセットしたときにフトコロに収まる位置に)ボーンラトラーを挿入している

●テキサスリグ用タックル
※当時の釣りを今(2017年)するなら……
ロッド:ブラックレーベル+7011HRB
リール:ジリオンSV TW1016SV-SHL
ライン:モンスターブレイブZ 18Lb
すべてダイワ


 春一番が吹く前の高滝湖は決してイージーではない。それどころか、1年を通じて環境要因のプレッシャーがもっとも高まる(=もっとも水温が下がる)時期だ。しかし、その分フィッシングプレッシャーは低い。この状況は、2月末になれば変わっているだろう。高滝湖は年間の最低水温を脱し、春を待ちわびた気の早いアングラーが水辺に戻ってき始める。つまり、環境要因のプレッシャーが低下する代わりに、フィッシングプレッシャーが上昇し始めるわけだ。

 ただ、こうしてプレッシャーの質や量が変わっても、ここに紹介した川村さんのテクニックは変わらず有効である。とくに「なんか今日は釣れないな」というときは、ぜひ試してほしい。

  
 
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 バスの立場で考えてもみてほしい――ドタバタと何かが地面を叩く振動が水中へ伝わってきたあとで、ボチャン!と飛んできたエサっぽいモノに食いついたら、空気中に引っ張り上げられてしまった。同じことが何度か起こる。ドタバタの前に少し離れたところからバタンという振動も伝わってきた。バスは、ドタバタとバタンとボチャン!を危険を報せるサインとして学習する。サインというよりサイレンといったほうが正確かもしれない。
 ドタバタはアングラーの足音であり、その前のバタンは車のドアを閉めた音、ボチャン!はルアーの着水音である。
 アングラーはバスを釣りたくて水辺に立つのに、「今から飛んでいくのはハリが付いたニセモノだから食べちゃダメだよ」とバスに向けてサイレンを鳴らしてからキャストしていることがある。そういう矛盾が、川村光大郎の岸釣りにはない。
 地に足を着けて釣るからこそのメリットを生かし、デメリットを逆手にとってバスの裏をかく。グッドサイズのバスをたくさん釣りたい川村光大郎が、試行錯誤を繰り返しながら体得してきたオカッパリの方法論と技術をまとめた一冊。



 
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