川又圭史さんに聞く、美味しいテトラの見極め方 :第2回
ねらいは三角テトラに絞る 【12~3月】
Basser編集部=写真と文
「低水温期の利根川本流でオカッパリをするなら、水深3~5mに沈む消波ブロック(以下、テトラ)を釣るしかないでしょう」
JB TOP50に参戦し、利根川でガイドを営む川又圭史さんはそう語る。
川又さんによると冬にねらうべきスポットはテトラの形を見て絞り込むのだという。
この記事は2010年4月号に掲載されたものを再編集しています。

JB TOP50に参戦するトーナメントアングラー。主な戦績は2013年旧吉野川戦優勝など。利根川・霞ヶ浦水系・桧原湖でガイドも営む。
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三角テトラに的を絞る
ひと口にテトラといっても、利根川本流には膨大な数のテトラが存在する。そのなかからどのようにエリアを絞り込めばいいのだろうか。
「まず、テトラの種類から絞り込みます。ねらうのは三角テトラで、それ以外は無視します」と川又さん。三角テトラとは文字どおり三角形のテトラで、真ん中に穴が空いているタイプの物である。理由は不明だが、川又さんの経験によると三角テトラが入れられている場所は足もとから水深があることが多く低水温期にバスを集めやすい。それに加え、真ん中に穴が空いているため水通しがよく、またその穴が通り道になるためバスが移動しやすいという特徴をもつ。


テトラの種類以外に、ブレイクの角度も判断の基準になる。低水温期は、ブレイクの角度が急でシャローとディープが近いエリアが有望だ。利根川で言えば、水郷大橋上流のテトラ帯がこの条件を備えている場所の一例だ。
ここぞというテトラ帯を見つけたら、そのストレッチをさらに細かい視点で見ていこう。バスの活性が高いハイシーズンならワンキャストにかける時間を短縮してテンポよく釣っていけば、広範囲を探ることができるが、バスの動きが鈍い低水温期はそれだとバスに口を使わせることができない。テトラを見ると穴という穴を撃ちたくなるが、あらかじめチェックするスポットを絞り込んでおくことが必要だ。

ねらうべきスポットとして最初に挙げられるのはテトラ帯の始点と終点だ。
川又さんの推測では、テトラ帯の端の散在したテトラは、大水などのときに、強い流れによって積まれたテトラがこぼれたと考えている。人為的に積まれている部分に比べてテトラの密集度が低く、規則正しく積まれたテトラ帯のなかでは重要な変化となる。ぎっしりと積まれた場所に比べて水通しがよく、バスが動き回るスペースがあるためフィーディングスポットになるのも特徴だ。
また、流れがとくに強く当たるスポットは、同じストレッチのほかの場所よりもテトラが沖まで入れられて張り出しを形成しており有望だ。張り出しの上流側は流れが強く当たり、裏側は反転流、いわゆるヨレが発生する。低水温期は、流れが強く当たるのをバスが嫌うため、ヨレが発生しているスポットに魚が集まる傾向があるので時間をかけてねらいたい。
2017/2/14