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亀山湖エリア別溶存酸素&釣果報告(2014年8月8日)

石井真さんと追いかけた溶存酸素@亀山湖 :第3回

Basser編集部=写真と文
06a
強い陽射しが照り付け、水温が30℃を超えることも珍しくない夏。
高水温期の釣りで話題にあがるのが水中の酸素量だ。
水中が酸欠になりやすい夏は酸素の多いエリアを探すというのが定説だが、実際どのくらい酸素があるのかわかるアングラーは少ないだろう。
本当に酸素量の多いところではよく釣れるのか?
石井真さんと編集部員アライがその疑問に迫ります!
第3回は、夏バスと溶存酸素の関係を考えるうえで印象的だったエリアと釣果を詳しく紹介します。


この記事はBasser2014年10月号に掲載したものを再編集しています。


kakomi3-3a 石井真(いしい・まこと)
1966年6月生まれ。亀山湖・高滝湖のスーパーロコアングラー。エリアの特性やベイトフィッシュの動きなど、経験によって蓄積した知識はレイクのすみずみまで及ぶ。魚探を駆使したシューティングテクニックはその真骨頂。本職は和菓子職人。


01 編集部アライ
1988年11月生まれ。大学の学部4年から修士課程の3年間、水圏生態学研究室に在籍しました。研究テーマは「水の中のバクテリアと有機物の関係」。夏の釣りでしばしば話題にあがる水中の酸素量を実際に測ってみたいと思い今回の取材を企画しました。現在はsiteBを担当しています。


ダムサイト

kakomi2-1 亀山湖ダムサイト付近の水深と溶存酸素濃度の関係。縦軸が水深(m)、横軸は溶存酸素濃度(mg/ℓ)を示す

kakomi2-2 水深と水温の関係


 ダムサイト付近(水深15m)で水深ごとに溶存酸素濃度と水温を測定してみた(10mまで)。水温は水深が深くなるにつれて徐々に低くなっていた。対して、表層で8.80㎎/ℓだった溶存酸素濃度は、水深2.5mから急激に減少し始め、7.5mでは0.58㎎/ℓの値を示した。

 米国で行なわれた研究(Moss and Scott, 1961, Dissolved-Oxygen Requirements of Three Species of Fish)によると、バスが生存できる最低限の酸素濃度は水温30℃のとき約0.80~1.00㎎/ℓらしいので、7.5mより深いところにはバスはいないと考えられる。石井さんも「たしかに夏はその水深(7.5m)で釣れたことないなぁ」と納得。

松下ボート前……GOOD!

9:20(水温29.1℃)
表層の溶存酸素は……8.19mg/ℓ

16:00(水温30.2℃)
表層の溶存酸素は……8.48mg/ℓ


kakomi3-1 松下ボート前。川幅が狭まった地形に、橋脚、ハードボトム、立ち木、水中島などが絡むエリア。フィーディングもしばしば見られる

kakomi3-2a kakomi3-2b ラッピングミノー8gで桟橋付近を探るとヒット。レンジは3m前後

kakomi3-3a 07b 16:00に入りなおすと1㎏アップがヒットした。水深3.5mから生えている隠れ立ち木をフラチャット7g+フラバグで探った

 松下ボート前~押込下橋エリアは川幅が狭まっていてカレントが発生しやすいエリアだ。溶存酸素濃度は9:20に8.19mg/ℓ、16:00に8.48mg/ℓとやや高い値をマーク。

 石井さんは9:20ころラッピングミノー8gで2バイトを得て1尾キャッチ。さらに16:00に入りなおし、フラチャット7g+フラバグで立ち木をねらって1キロアップをキャッチした。溶存酸素濃度がより高くなった夕方に1キロアップが釣れたのは単なる偶然なのか……?

笹川上流……BAD?

10:30(水温25.1℃)
表層の溶存酸素は……5.31mg/ℓ


kakomi4-1 kakomi4-2 笹川湖の底の水が流れ込む、笹川上流。当日は減水で遡上できたのはここまで。水面に粘膜のような汚れが浮かび、見るからに水質が悪いようす

 夏のリザーバーといえば、バックウォーターという印象があるが、亀山湖の場合は少し特殊だ。とくに笹川は上流の片倉ダムから笹川湖の底の水(貧酸素)が流れ込んでいる。これは魚にとってターンオーバーと似た条件かもしれない。水温こそ25.1℃と低い値だったものの、表層の溶存酸素は5.31mg/ℓで、この日巡ったエリアの中でもっとも表層の酸素量が少なかった。

 「でも笹川は中流から下流にかけて、水深6mラインのボトム近くにワカサギの群れがよく映るんだよ。理由はわからないけど……。ワカサギについているバスも魚探にときたま映るから、ねらう価値はある。でも夏場に笹川で釣れるサイズはあまり大きくないのが多いね」

 結局、笹川では中流域でラッピングミノーにバイトが1回あったものの、反応は芳しくなかった。

折木沢……GOOD?

13:30(水温28.8℃)
表層の溶存酸素は……8.19mg/ℓ


kakomi5-1 おりきさわボートの少し先まで遡上できた。富栄養化の影響か、アオコが発生していた

kakomi5-3a kakomi5-3b 少し下流に移動して水揚げ場の岩盤をねらう。水深は2m前後。ガンタージグ1/2oz+エスケープツインをボトムバンピングさせてリアクションバイトを誘うとナイスサイズがヒットした


 折木沢上流ではアオコが発生していた。パッと見ではあまりよくない印象だが、表層の溶存酸素は8.19mg/ℓとやや高い値。アオコは有害な毒素を出すので敬遠されるが、考えてみれば光合成をする植物プランクトンだ。

 「表層の水が悪くても下の水が動いていれば充分釣れる可能性はあるよ」と石井さん。少し下って水通しのいい岩盤+シェードの水揚げ場付近をガンタージグ1/2oz+エスケープツインで探ると40㎝クラスのナイスフィッシュがバイト!

林道下・立ち木……VERY GOOD!
調査の最後にドラマ魚が!


 取材当日、もっとも期待していたエリアは本湖・林道下の立ち木群。実は石井さん、前日も亀山湖に浮いており、このエリアで好反応を得ていたという。

「ここの立ち木は水深10mのエリアのなかで7mまで浅くなっている張り出しの上に生えているんだ。沖側に面していて水通しがいいし、見た感じ水に泡が浮いていないし、粉っぽくなくていい水だよ」

 最初に林道下の立ち木群に入ったのは7:15だった。このときは表層の溶存酸素濃度は7.02㎎/ℓ(水温28.7℃)。チャターベイトとリングワームのテキサスリグを立ち木の間に通していくも期待に反して反応はなかった。石井さんによると沖の立ち木は陽が昇ってからのほうがバスが付きやすいそうだ。

05 林道下の立ち木群。7:15にチェックしたときの溶存酸素濃度は7.02mg/ℓとあまり高い値ではなかったが……

 そこで11:00にもう一度入りなおすとリングワームのテキサスリグに700gクラスが出た。このときの溶存酸素濃度は8.54㎎/ℓ。朝よりも大幅に増加している。

dsc_8371 11:00、5.3inリングマックスバスの5.2gテキサスリグのスイミングで700gクラスをキャッチ。朝と比べて溶存酸素濃度は大幅に増加

 そして16:30、当日3度目となる入り直し。チャターベイトを立ち木の枝にコンタクトさせながら中層で巻くと明らかにビックサイズのバイトが! 慎重なやり取りの末、ランディングしたのは50㎝オーバーだった。溶存酸素濃度は8.71㎎/ℓで11:00の時点よりさらに増加していた。

07a 夕方、溶存酸素濃度がさらに増加したタイミングで50㎝がヒット! ルアーはフラチャット7g+フラバグ。溶存酸素が増えるほどビッグバスが口を使いやすいのだろうか? 一応、身体が大きくて酸素がたくさん必要なビッグバスほど、溶存酸素の変化に敏感に反応するという仮説は立てられる

「今日は朝から夕方までずっとそよ風が吹いていた。それで溶存酸素濃度が増えたんでしょう? 昨日は今日よりも強い風が吹いていて、この立ち木でデカいのが反応したのはお昼くらいから。今思い返せば、風が強かった昨日のほうが、酸素が水に溶けるのが早くて、今日よりも早い時間帯に反応したんじゃないかな」と石井さん。

 松下ボート前のエリアでも、300gクラスが釣れた9:20の時点で8.19㎎/ℓだったが、1㎏アップを釣り上げた16:00には8.48mg/ℓに増加していた。

 この結果だけを見て溶存酸素濃度が高いほうが大きなバスが釣れると言い切ってしまうのは乱暴な話だけど、ひとついえるのは溶存酸素とバスの行動はどうやら無関係ではなさそうだということ。少なくとも溶存酸素は水温と同じように数値化できるパラメーターだ。もし、溶存酸素を測りながら釣りができたら、バスフィッシングというパズルを読み解くヒントになるのは間違いない。

 そんなバスフィッシングの次の可能性を提案しつつ、調査終了!

調査時のタックル
フラチャット7gフラバグ
ロッド:ロードランナー・ハードベイトスペシャルHB640ML
リール:アルデバランMg7
ライン:シーガー・R18フロロリミテッドハードバス12Lb

5.3inリングマックスバス
ロッド:ロードランナー・ハードベイトスペシャルHB710LL
リール:アルデバランMg7
ライン:シーガー・R18フロロリミテッド12Lb
フック:パワーステージ#2/0(フィナ)
リグ:5.2gテキサスリグ

ラッピングミノー8g
ロッド:ロードランナー・ストラクチャーST650M
リール:アルデバランMg
ライン:シーガー・R18フロロリミテッド8Lb

ガンタージグ・フリップ1/2oz+エスケープツイン
ロッド:ロードランナー・ストラクチャーST670H
リール:スコーピオン200HG
ライン:シーガー・R18フロロリミテッド12Lb
ロッドはノリーズ、リールはシマノ、ラインはクレハを使用。

  
 
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