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バスフィッシング全力投球!

夏のバスフィッシングと溶存酸素量の関係

石井真さんと追いかけた溶存酸素@亀山湖 :第1回

Basser編集部=写真と文
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高水温期の釣りで話題にあがるのが水中の酸素量。
水中が酸欠になりやすい夏は酸素の多いエリアを探すというのが定説だが、実際どのくらい酸素があるのかわかるアングラーは少ないだろう。
本当に酸素量の多いところではよく釣れるのか?
石井真さんと編集部員アライがその疑問に迫ります!


溶存酸素濃度を測ってみたい!


 夏場、フィールドでこんな風景を見たことはないだろうか? ヘラブナやコイが水面へ口を出してなにやらパクパクしている。エサを食べているようでもないし……。これは水中に溶け込んでいる酸素(溶存酸素という)が欠乏したことで、直接空気から酸素を得ようとする「鼻あげ」と呼ばれる行動だ。夏は魚たちにとって酸欠になりやすい季節なのだ。

溶存酸素って?

酸欠になりやすい夏

 なぜ水温が高まる夏場は溶存酸素が欠乏しやすいのか?

 まず挙げられるのは、化学的な性質による理由。お湯を沸かそうと水を温めていくと、プツプツと気泡が抜けていく。水温が高いほど水に溶けていられる酸素量は少なくなるのだ。ほかには生物の活動による理由が考えられる。一般的にバクテリアなどの微生物の活動は温度が高くなるほど活発になる。湖の中では微生物が活発に呼吸を行なうことで酸素が消費されやすくなる。また、変温動物である魚たち自身も、新陳代謝が活発になった結果、より多くの酸素を必要とするようになる。

 ただ、夏以外でも酸素の欠乏は起きる。表層の水温が冷やされ酸素の乏しいボトム付近の水と一気に入れ替わる、春と秋のターンオーバーがその原因。ターンオーバーは急激に変化が起きる分、魚は夏の酸欠よりもより大きなショックを受けると考えられる。

 ちなみに、霞ヶ浦の湖心表層水の夏の溶存酸素濃度は、6.00mg/l台前半から8.00mg/l台前半の値を示すことが多い。

酸素の供給源

 今度は溶存酸素の供給源を考えてみよう。水中に酸素が溶け込む経路は主に3つ。

 ひとつ目は、河川水や雨水など、より酸素に富む水がエリアの外から流れ込んでくる経路。もうひとつは空気中の酸素が水面から溶け込む経路。風やボートの引き波などで水面が撹拌されると溶け込みやすくなる。最後に水中の植物による光合成。基本的にウイードや植物プランクトンなどが多いエリアでは、日中に盛んに酸素が生み出される。しかし、光合成のできない夜間は彼らの呼吸で酸素が使われるので、溶存酸素濃度が低下することもある。

 バスフィッシングでもなるべく溶存酸素が豊富なエリアを探せと言われることがある。バスは水質の変化やベイトフィッシュの動きに応じて居場所を変える魚だから、より溶存酸素が豊富で呼吸のしやすいエリアを求めて移動することは簡単に想像できる。

 でも、どのエリアに溶存酸素が豊富なのか、溶存酸素が豊富なエリアでは本当によく釣れるのかということは実際に溶存酸素濃度を測定してみないとわからないよなぁ……という疑問を、ワタクシ編集部員アライは常々感じていたわけです。

02大学の先生に貸し出してもらった溶存酸素測定器。センサー部分を付け替えることでpH(水素イオン濃度;ペーハー)なども測定可能な優れもの


 それなら、理系男子のアライが測ってみるしかない! そこで大学時代の先生に相談したところ、研究用の溶存酸素測定器を貸していただけることになった(濱教授、ありがとうございます!)。場所はいろいろなシチュエーションがある千葉県・亀山湖に決定。しかし、ここで問題が……。測定器で溶存酸素の豊富なエリアがわかっても、アライの釣り能力ではそこにバスがいるかどうか確かめられない。どうしよう……。

 そうだ! あの人に頼もう! ということで白羽の矢が立ったのは亀山湖のスーパーロコであり、ノリーズプロスタッフの石井真さん。

 魚探の扱いに長けた石井さんなら、サーモクラインや湧水の存在など普通の人にはわからない水中の情報を教えてくれる。過去の取材では魚探に映ったバスの群れがどのくらいの規模のスクールなのか言い当てたこともある。しかも亀山湖の端から端まで知り尽くしているから的確に溶存酸素が豊富なエリアに案内してくれるに違いない! お願いしてみると「おもしろそうだね!」とふたつ返事で引き受けてくれた。

亀山湖で有望なエリア


 取材を行なったのは2014年8月8日。天気は晴れ。早朝ののむらボート前で石井さんと落ち合った。

今回お世話になった「のむらボートハウス」 nomura 千葉県君津市草川原396-1
http://nomuraboathouse.la.coocan.jp/
医院下~折木沢筋、本湖~笹川方面までアクセスしやすいレンタルボート店。ローボートは2900円~。14ft艇は4100円~。オープントーナメントも盛んに開催されており、亀山湖全体の釣果情報が集まってくる

 おはようございます! さっそくですが、夏の亀山湖ではどんなエリアが有望なのでしょうか?

「ひと言でいえば水通しのいいエリアだね。風が吹き抜けやすい沖の立ち木や、カレントが利きやすい湖岸の幅が狭まっているエリア。こういうところはフレッシュな水が供給されるはずだから水中の酸素も豊富だと思うよ。亀山湖の場合、バックウォーターはアオコが出たりして意外とよくないんだけど、雨が降って山の水が流れ込んだときは実績がある。今日はのむらボート前、藤林、本湖の立ち木群、松下ボート前で釣りをしようと思う。酸素はいろんなところで測ってみようよ。ダムサイトやバックウォーターも気になるよね」

kakomi3-1 川幅が狭まった地形に、橋脚、ハードボトム、立ち木、水中島などが絡む松下ボート前エリア。フィーディングもしばしば見られる


dsc_8106水通しのよい沖側にせり出す藤林エリアの立ち木群

 石井さんにエリアの案内と実釣をお願いして、アライはバックシートで水を汲んで溶存酸素濃度を測定することにした。次回から各エリアで測定してみた結果と石井さんの釣果を紹介したい。


kakomi3-3a 石井真(いしい・まこと)
1966年6月生まれ。亀山湖・高滝湖のスーパーロコアングラー。エリアの特性やベイトフィッシュの動きなど、経験によって蓄積した知識はレイクのすみずみまで及ぶ。魚探を駆使したシューティングテクニックはその真骨頂。本職は和菓子職人。


01 編集部アライ
1988年11月生まれ。大学の学部4年から修士課程の3年間、水圏生態学研究室に在籍しました。研究テーマは「水の中のバクテリアと有機物の関係」。夏の釣りでしばしば話題にあがる水中の酸素量を実際に測ってみたいと思い今回の取材を企画しました。現在はsiteBを担当しています。



この記事はBasser2014年10月号でも読むことができます。


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