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伊藤巧のB.A.S.S.挑戦記:第6回 不眠からのエリート昇格! 最終戦の試合展開詳報

最終戦も決勝進出! 参戦初年度で年間4位

サイト・ビー=まとめ
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初年度でのエリートシリーズ昇格を目指し2019年から
セントラルオープンにフル参戦している伊藤巧選手。
エリート昇格権が与えられるのはセントラルオープン上位5名。
最終戦を残し、伊藤選手の暫定年間順位は4位……。
絶対に外せない一戦の行方は……?
最終戦終了直後にインタビューを行ないました。
(以下、伊藤選手談)





田辺哲男さんの言葉


暫定年間4位という位置(エリート昇格は5位まで)でのぞんだ最終戦。

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試合前、田辺哲男さんから「最終戦、やるだけやってみればいい」という言葉をもらっていました。意外と優しい言葉でした。というのも、開幕前には「エリート昇格はマスト」と言われていたんです。初戦で準優勝するよりも前の話です。
「オープンに出ている多くのアメリカ人は3~5日プラしている。けど、君は10日プラできる環境がある。一年で決めなきゃダメ」、と。「伊藤巧がアメリカで通用するわけない」という意見もあるなかで、田辺さんはそう言っていました。

その人が急に「やるだけやってみれば」ですよ。おそらく、田辺さんなりに気を使ってくれているんだと感じました。裏返せば、暫定4位という自分のポジションは、それだけ危うい位置だということもよくわかりました。

最終戦のグランドレイクは「抑える」つもりはまったくなかったです。まとめようとしてもミシシッピリバーのときと同じような展開になって、年間5位以内には入れない。勝ちに行く釣りをしてはじめて昇格圏内に残れる。4位はそういうポジションです。

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試合前は不眠症になりました。毎日9時間30分くらい休める時間はあるはずなんですけど、寝れない。ベッドで目をつむっても、「あそこに(バスが)差すんじゃないか……、差さないかな……」と、エンドレスで「差す、差さない」を考えてしまい全然寝れない。睡眠薬に頼ったら今度は身体がダルくるなる。そういう毎日。人生で一番いろいろと重いものを背負って戦う試合でした。「自分のことだけ考えればいいよ」という雨貝健太郎さん(Basser誌ライター)の言葉に救われたことをよく覚えています。

イメージは10年前の利根川


 プラクティス前半は基本あまり釣れませんでした。1日やってもひとりでリミットを揃えるのは厳しい感じ。ただ、魚のシャローやカバーへの差し方が利根川に似ているな……というイメージはわいた。10年前の、今よりややイージーだったころの利根川みたいだな……と。水中堤防のようなスポットがあるのも共通してました。これに助けられた。もちろん、湖の見た目は利根川とはかけ離れているので、あくまでイメージ上の話です。

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「10年前の利根川」から連想ゲームをして釣れそうなルアーを試しました。すると6.5inカットテールワーム(2.3g・4.4gネコリグ)とエスケープツイン(7gチェリーリグ)がよかった。どちらも利根川ですごくお世話になったソフトベイトです。シャローカバー周りではフラチャット1/2oz+レディーバランス、コンツアージグ3/8oz+エスケープツインも使いました。

すると、1日1尾は5~6Lbのいい魚はまじってリミットはなんとかなりそうな感じまで持っていけました。あと、グランドレイクはウイードがなくて僕向きのフィールドだとも思いました。

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Day1/エリートに王手!?


初日、最初に向かったのは下流域の大きなワンド・ホースクリークです。ここはワンド内でバスの生活が完結している感じがありました。ワンドから出ずに、魚が動いているイメージ。グランドレイクの魚の癖がつかみきれていない僕には最高のエリアだった。朝イチに入ることで、その日の魚のレンジやモードが判断できる。指標をもらえる場所です。しかも、入り口はチョークされていて、北風でも、南風でもカレントが発生するんです。

朝はまずこのストレッチに入りました。まずシャローカバーをコンツアージグ3/8oz+エスケープツインで撃ちました。フォールのあとジグストさせて外の魚も拾えるように釣っていくと、まず1.5Lbをキャッチ(※1Lbは約450g)。

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決していいウエイトではないですし、続かないので、試しに沖のミドルレンジを触ってみることに。360°イメージで沖に張り出した石積みを映し、6.5inカットテールの2.3gネコリグをドリフトさせると3Lbと3.5Lbがきた。

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完全にバスが「外」に出ている……。このままホースクリークにいてもリミットは揃いそうな気がしましたけど、人も多いのでエルクリバー上流を目指しました。沖に張り出した石積みとかをやろう、と。南風で生きるバンクを意識して、水中堤防チックな砂の山の張り出しを釣りました。すると6.5inカットテールのドリフトで3Lbが連発! やっぱり魚は完全に外に出ている。コアングラーと合わせて15本くらい釣ってかなりいいウエイトになりました。水中堤防近くのドックではエスケープツインのチェリーで3.5Lbという最高の魚も入ってくれた。早い段階でウエイトは16Lbを超えて、魚も弱り気味だったのでフィッシュケアを優先し早上がり。初日は16Lb15ozで8位でした。

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エリートがグッと近づいた……。

Day2/伊藤巧のジグを完全スルーした3尾


2日目は天気荒れ気味。ドック撃ちをして手堅く揃えて12Lbを持って帰るという手もありましたが、たぶんそれでは5位から落ちる。2日目も仕掛けることに決めていました。

朝はやはりホースクリークへ。コンツアージグでカバーを撃つといきなり4Lbがきてくれた。けど、まったく後が続かない……。それどころか、コアングラー(バックシートのアングラー)に3尾もナイスフィッシュを抜かれた。しかも、僕がジグで撃ったあとの1本の木で3発……。黒いジャックハンマー3/8ozにザコを付けていました。コアングラーはこれでリミットメイク(プロ部門はリミット5尾、コアングラーは3尾)。

「チャター釣れるよ。君もトライしてみな」と言われ……。なんで僕のジグはスルーするんだよ!?と納得いかない部分もありましたが、背に腹はかえられない。急いでチャターをセッティングしました。パワーブレード付きで強いフラチャット1/2ozにデカいトレーラー(レディーバランス)をセットしてシャローカバー周りにキャストしたら……。一気にリミットが揃いました。4Lb、3Lb、2.5Lb……といい魚も入った。4Lbはミスバイト後のフォローで入れたコンツアージグに食ってきました。

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ジグやチャターの出しどころ、使い方ひとつでこんなにも差がでるとは……。自分の未熟さを思い知るとともに、とても勉強になりました。

この時点で14Lbオーバーのウエイトになりました。同時に「今日はシャロー」ということもわかった。

でも、そのあとは入れ替えはできずに帰着。14Lb6oz。周りのウエイトが落ちていたので、順位も3位に上がりました。決勝進出です。と、同時に、アメリカ人たちがエリート昇格確定をほのめかすようなことを言ってくる。「Your dream come true!!」とか。どうやら3日目ノーフィッシュでもエリートは大丈夫そうということがわかりました。

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じゃあ3日目は思いっきり勝負しようと。居着きの魚ではなく、差したビッグフィッシュだけをねらって勝ちゲーをすることにしました。本気勝負です。

その結果はノーバイト。風も吹いていてもしかして……と思ったんですけど、ヘンに魚が散っちゃったのかもしれません。

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今は恐さしかない


ということで、なんとかエリートを決めることができた。不眠症からも解放されて、試合が終わった日はベッドに入って10分で眠れました。

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ただ、今はもう嬉しい気持ちはないです。怖さしかない。不安です。来年からやっと自分の夢だった舞台に立てる。スタートラインに立ってみて、絶対に苦しむことを確信しています。僕、オープンに出ている日本人のなかで、一番ボートの扱い方を知らないし、運転も下手なんです。トラブルが起きないわけがない。

10月末のオールスターが終わったらすぐに渡米してボートスポンサーを探したり、マシンを整備したり、プリプラをやったりします。2月から試合だし、浮かれている場合じゃないんです。

釣りそのものに関しても同じ。今回、木村建太さんが本当にすごいパターンを組んでいました。イヴォーク4.0のクランキングと、5/8ozフットボールヘッド(+パワーフラッター)をボトムで巻き続けるという釣り。岩に当たったときのリアクションでバイトを出すと聞きましたが、正直僕にはわからない世界。そんな強い釣りはできません。

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そんなスペシャルな木村さんをもってしても勝てなかった……。今の僕では、安定した成績は出せるかもしれませんが絶対に勝てない。そう確信した最終日のウエイインでした。

そのあと、田辺さんにメッセージを入れました。「強い釣りを教えてください」と。「早く帰ってこい。日本にいるうちに仕込めるだけ仕込む。特訓だ」と田辺さん。とにかく、これからです!

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(▲おわり)



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2019/9/16

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