サイト・ビー by Basser
バスフィッシング全力投球!

ラスバス・初バス挑戦記 :第9回 早野剛史×河口湖

1月7~8日、サイトフィッシングとディープゲームの二本立てで挑んだ二日間

早野剛史=写真と文
Basser2015年3月号掲載の「全員釣ったゾ!! ラスバス・初バス挑戦記」を再編集してお届けします。
「2014年のラストバス、もしくは2015年の初バスを釣ってきてほしい」という編集部からの依頼に応え、年末年始に釣行してくれた9人のアングラーは全員がバスをキャッチ。
低水温に打ち勝つヒントを教えてくれました。


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アングラー=早野剛史(はやの・たけし)
河口湖でプロガイドを営みつつJB TOP50に参戦する若手アングラー。2014年はJBマスターズでAOYを獲得した。
早野剛史オフィシャルHP

釣れれば40cmは確実


 私にとって1、2月の厳寒期の釣りはトーナメントのオフシーズンの何よりの楽しみである。

 河口湖の冬は厳しい。毎朝、気温は氷点下からスタート。日によっては一日中ロッドのガイドが凍りつくこともあり、エンジン、トレーラーと船が凍結、ボートのストレージも凍結し船のブレーカーすら入れられない……そんな状態から河口湖の一日が始まる。とはいえ、最高気温が1、2℃でもしっかりとした防寒対策さえすれば意外に手先以外はそこまで寒くないものだ。「山梨県富士五湖地方の最高気温は5℃」なんてニュースで聞いた日には「明日は釣り日和だな……」なんて思ってしまう私である。

 1月、2月の河口湖のバスフィッシングではチャンスは1日数回訪れるのみ。しかし、バイトしてくるのは水温2~3℃でも動き回りエサを食いまくっている体力のある50~60cmの可能性が高い。釣れれば40cmは約束される。シャローのサイトフィッシングやビッグベイティング、ミドル~ディープのメタルゲームやフィネスが楽しめる。

 今、関東で60cmオーバーが釣れる確率が一番高いフィールドが河口湖であることは間違いない。それを知ってか、ここ数年で、真冬の河口に訪れるアングラーはボート、オカッパリを問わず急増している。毎年、1月にオカッパリから60cmオーバーが複数尾出ているという事実もある。また、晴れで水がクリアな状況の午後などは、水温3℃でも悠然と泳いだり、ボケーッと日向ぼっこしているグラマラスな60cmクラスを見ることできる。そんなサイズがねらえるのが真冬の河口湖を愛してやまない理由だ。

水温3℃の河口湖へ出撃。水深4~5mにデカバスを発見


 1月7、8日の2日間、2015年の初バスは50cmアップで! という思いで河口湖へ出撃。前日の6日には低気圧の寒冷前線が通過し、湖全域の水温を低下させ、風の影響によって浅い水深には濁りが入った。水温も低下し3℃台半ばという状況。ちなみに毎年河口湖は最低水温1~2度まで低下する。といっても表水温が1度~2度なだけで普通にバスは釣れる。

 7日は全域のシャローの越冬場所から始まり、ミドルレンジ~7mディープまで幅広くチェック。

 この時期私はシャローのチェックを欠かさない。魚を目視することでもっとも手っ取り早くコンディションやレンジなどを把握し釣ることができるからだ。しかし、有望なシャローの越冬場所を回っていくもののまったくバスがいない……そして濁りが入っており見えない……。そこでエリアをクリアな奥河口湖に広げると、比較的深い水深まで確認することができた。

p58-59-hayano-5 北西の季節風が避けられるエリアは、シャローでバスを目視できることが多い。河口湖では奥河口湖エリアの3連ワンドの奥側や大石などの北岸エリアがサイト向きだ

 さかなや溶岩帯のワンドの出口をサイトしているときだった。

 ギリギリ見える限界の水深である4~5m前後の溶岩のブレイク上に、あからさまにデカいバスを発見。ほぼ足もとでの発見だったが50cm後半は間違いなくあるモンスターサイズ。警戒心が強くサイトでは攻略できそうもないが、少し時間を置いてもう一度魚体を確認すると同じポジションにいたためブラインドで攻略できるのではないかと期待が高まる。

 バスから距離をおくため一旦沖へボートを移動させたが、その際魚探にシラウオが映し出された。バスと近い水深の6m前後だったため食い気があるのでは? と直感した。

 ファーストキャストはリレンジ130SPを超スローシンキングにセッティングしたもの。1キャストに3分ほどかけて、沈ませながらブラインドでチェックするものの反応がない……。

 こういった魚は、タイミングを変えて入り直すと案外イージーに反応してくれることもある。1時間ほどほかのエリアをチェックし再チャレンジ。今度はシラウオを意識し、0.9gのジグヘッドにポークをセットしたものを魚体を確認していたスポットへフルキャスト。オーバー気味に投げたリグが、1分ほどかけてそのスポットを通過しようとしたときだった。明確なバイトとともにじんわりとバスが走り出す。

 ヴァンキッシュ2500Sのドラグが貸切り状態の静かな湖上に響き渡る……。ファイトし始めてしばらくするとバスも目が覚めたかのごとく走り出す。ラインはレッドスプールの3Lb。デカい魚が軽いジグヘッドを吸い込んでバイトしたことを考えるとリグは口の中に入っている確率が高くあまり無理はできない。そんな不安が脳裏によぎった時だった。沖に走っていたバスが近くにあった桟橋の方へ猛ダッシュ。結局桟橋の沖に伸びているであろうロープに擦られラインブレイク……。

 1日1回あるかどうかのチャンス。それがわかっているがゆえに溜息と共に天を仰いだ。

 この後はノーチャンス。初日をゼロで終えた。

2日目はメタルバイブとジグヘッドで


 ラストチャンスの2日目。前日に見える水深にバスが少ないということは確認済みだったのと、この日は風が3~4m吹く予報だったため、サイトには不向き。水深7、8mまでの見えない水深をメタルバイブとジグヘッドリグでチェックし初バスを追い求めることにした。最低水温期はサイトにこだわらなくてもビッグバスがねらえるのも魅力だ。

p58-59-hayano-2 2日目は風が常時出ている状態。状況的にも、シャローのサイトフィッシングメインではキツいことは初日でわかったので、サイトフィッシングを気持ちよく見切らせてくれたいい風だったのかもしれない

 レンジが深くなるとチェックもスローになるのでは!? とイメージする方も多いと思うのですが、河口湖に引っ越して丸6年も真冬のフィールドに出続けていると、深い水深でバスが口を使うスポットやタイミングまである程度予測できるようになり、見切りも早くなる。ラン&ガンでタイミングを合わせるのが厳寒期の私のスタイルだ。

 2日目はファーストスポットでチャンスが訪れた。時間は10時25分前後。出船した湖波ボートの付近にある湧水が絡んだ杭にキーバーン7g(メタルバイブ)を絡めてリフト&フォールしているときだった。複数回アクションしているとリフト時にディープの杭越しにバスがヒット。2、3回グングンっと首を振ったのを確認した直後にフックアウト……。今年は何て初バスが遠いんだ! まぁこれも試練だ!(笑)

 この「初バス企画のプレッシャーを楽しむ」と決めて後半はプラス思考で各所をチェックしていく。この企画の依頼を受けた時点で自信満々に「河口湖で初バスキャッチします!」と言った自分は、新年早々2チャンスもミスしてしまうなどとは思ってもいなかった。当初よっぽど自信があったに違いない……。が、やるしかない。

 13時までに数ヵ所をチェックしたあと、午前中にも一度チェックした西川溶岩帯へ入り直す。実は午前中唯一複数のバスが魚探に映し出されていた。風も当たりづらく、ベイトも絡んでおりキースポットにリグを通せばバイトが出ると考えていた。

p58-59-hayano-1 ここが河口湖でも1級の越冬場所である西川溶岩帯。晴れの日が続いたり、水温が上がった夕方などは越冬場所に隣接するシャローサイドでバスの姿を目視できることもある

 14時過ぎ。風が弱くなり湖上が静かになり始めた。それまでサスケブレード11g(メタルバイブ)とキーバーン7~11gでスピーディにチェックしていたが、このスポットでは1.8gのジグヘッドにポークをセットしたものをボトム付近でスイミングさせていた。しかし、底を叩きすぎていたのかバイトは出なかった。風が弱くなったタイミングでジグヘッドを1.3gにして岩や溶岩をクリアしやすくした直後だった。

 ラインスラックをシェイクしていたアドレナ264L-Sに明確なバイトが! バイト後すぐフッキングせず数回軽くシェイクしてティップに重みが乗ってからフッキングを決める。サスガに2回も貴重な魚をミスしているとバスプロと呼ばれる職業の方もビビるようで、かなり慎重にファイトしたすえに上がってきたのは46cmのナイスコンディション。初バス!

 初日のビッグバスのラインブレイク。2日目、スタート直後のメタルバイブでのフックアウトと今年の早野剛史は相変わらず呪われている……そんなマイナス思考のスパイラルに入ろうとしたところに、何とか初バスが釣れてくれて2015年もいいスタートとなりました!

p58-59-hayano-4 フックが薄皮1枚で掛かった状態で初バスは上がってきた。低水温で深場で掛ける際はバーブレスにすることですっぽ抜けやバラシを防止できる



当日使用したタックル


小さなバイトを弾かないソリッドティップ hayano ロッド:ポイズン・アドレナ264L-S(シマノ×ジャッカル)
リール:ヴァンキッシュ2500S(シマノ)
ライン:レッドスプール3Lb(ジャッカル)
初バスをキャッチしたタックル。軽量なヴァンキッシュとアドレナ264L-Sの組み合わせはラインスラックを叩くイメージのロッドワークを行ないやすい。ロッドはソリッドティップで厳寒期の小さなバイトを弾きにくいのもメリット


“ロールアクション”追求のためのジグヘッドリグ hayano-3 豚うなぎ(Z&元気カンパニー)
フック:ジグヘッド1.3g
数あるリグのなかでジグヘッドリグ+ストレートポークのセッティングを選んだのはロールアクションを出すため。水の抵抗を受けにくいリグなのでポークをロールさせやすい


hayano-1 リレンジ130SP(ジャッカル)
板オモリを貼って超スローシンキング仕様にして水深5m前後まで沈ませて使った


hayano-2 キーバーン7g(ジャッカル)
ミドル~ディープレンジをリフト&フォールでねらった。2日目に1バラシ


  
 

 

河口湖、西湖、山中湖を現地ガイド中田敬太郎さんが誌上ナビゲート!

 

山中湖 河口湖 西湖バス釣り大明解MAP

中田敬太郎

2017/1/7

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最新号 2019年7月号

……そしてNewプロダクトに至る

 今号では、各アングラーが培ってきたバスフィッシング理論やルアー遍歴を辿り、それが現在の釣りやプロダクトにどう反映されているかを特集しました。
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 並木敏成さんは、これまで使い込んできたジャークベイトの数々と、阿修羅シリーズに込めたねらいを語ってくれます。
 また、現代のハネモノブームとそれを牽引するルアーはどのようにして生まれたのかを、江口俊介さんと川島勉さんの証言から紐解きます。
 そして、川村光大郎さんはこれまでのスピナーベイト遍歴と、「釣れるスピナーベイトの条件」を解説してくれます。
 さらに、赤羽修弥さんのバスフィッシングにおけるフロッグとの関わり方の歴史や、H-1グランプリウィナーの松村浩邦さんによる新旧クランクベイトの使い分けなど、今後のルアー選びに新たな視点をもたらす記事が盛りだくさんです。
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