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ジャパンフィッシングショー2018 並木敏成×伊藤巧対談:後編

Basser Allstar Classic2017を振り返って。「利根川では120点の釣りができました」

サイト・ビー=まとめ
namikiito02 この記事はジャパンフィッシングショー2018つり人社ブースでの並木敏成さんと伊藤巧さんの対談の模様を掲載しています。司会は『Basser』編集長の堀部政男

 2018年1月20日、21日に開催されたジャパンフィッシングショー2018のつり人社ブースでは、並木敏成さんと伊藤巧さんを招いて対談形式のトークショーをしていただきました。Basser Allstar Classic2017で動画クルーが同船し、それぞれ4位と5位に入賞しているおふたり。話題はその模様を収めたDVD『Basser ALLSTAR CLASSIC 2017 the Limit Three』についてです。後編では並木さんが伊藤さんのエリアセレクトについて質問をぶつけます。


120点が出せた利根川の釣り。でも……

――:伊藤さんの釣りで並木さんが気になったことはありましたか?

並木:利根川で巧が釣った場所は俺が知っているエリアもあったので興味深く見てました。あの試合では手駒としてほかのエリアももっていたの? ほかにもこの釣りを試しておけばよかったとか、そういう後悔なく周れたの?

伊藤:実際のところ、あの結果は僕のなかでは120点です。試合のあと「5位は惜しかったね、頑張れば勝てたよ」とよく声をかけてもらったんですけど……。

並木:実際、バラシがなければ勝てたでしょ? いい魚を掛けていたように見えたけど……。

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伊藤:うーん、あのときは魚の着き場がすごく限られていたので、時間を変えて入り直して釣りかえしているバスが何尾かいたと思ってるんです。なかでも運良く獲れたバスもいたので、やれたことは120点。逆を言えば、今の僕ではオールスターで勝つことはできなかったということだと思うんです。

並木:そうだったんだ。プラではどれくらい釣れていたの? よかった日の3尾のベストウエイトはどれくらい出た?

伊藤:ほとんどの日は2800gくらいで、いいときも3200~3300gが限界でした。オールスターの初日は3280gをウエイインできたので、正直なところ、でき過ぎだなと思ったんです。エリアについても、今振り返ってもあのとき周った場所以外にはいいエリアはあまりなかった。

並木:とはいえ利根川は20年近く釣り込んでいるわけだよね。あの試合のように、秋の雨のあと濁りが入って増水した状況でよくなるエリアをかなり知っていると思うんだけど……。

伊藤:たしかにそうなんですが、バスがフィーディングスポットに入るタイミングを釣ろうと考えたとき、利根川のバスはほかのエリアでも同じタイミングで同じ動き方をしていると思うんです。それを限られた時間で全部釣ろうとすると、やるべきスポットは少ないほど都合がいいんです。ある程度の距離を流さないと結果が出ないストレッチなのか、1ヵ所だけやれば答えが出やすいスポットなのかを見極めたい。この試合で僕が選んだのは、いい条件のエリアのなかでバスの着く場所が限られているスポットなんです。

並木:タイドが下がるタイミングだよね。たしかにバンクから離れたバスが着きそうな沖合のブッシュを釣っていたね。

伊藤:そうなんです。ここだけやれば短時間でいちばんいい魚を釣ることができる、そういう場所を数ヵ所しかもっていなかったんです。2日間で同じカバーを10回以上は撃っていると思います。


並木:俺もプラで利根川をやったんだけど、いつもより釣りにくかったよね。普通のコンディションで1日やれればリミットの3尾は獲れるなと思ったんだけど、再現性は低いなと思った。貸切ならまだしもジャイアン(沖田護さん)も巧もいる。この状況で利根川で勝負したら勝つのは難しいだろうなということで、俺は霞ヶ浦方面に行こうと決めたの。

伊藤:その視野の広さは、並木さんも含めいつも上位にいる選手はみんなもっていると思うんです。全部のエリアをチェックしたうえで、いちばんいい場所を判断して利根川でも霞ヶ浦でも結果を出せる選手が強い。

 僕の場合、実は今回のオールスターは利根川でやるつもりはあまりなかったんです。というのも、利根川はいくらプラで釣れていたとしても上流から流れてくる水次第で状況が変わるリスクが大きくて、試合で釣るにはちょっと危なすぎるなと。だからこそ水位の上下はあるにしろ利根川ほど状況が変わりにくい霞ヶ浦をメインにしっかり釣ろうと考えていたんですが……行けなかったです。一度は閘門を抜けて霞ヶ浦本湖へ釣り上がって行ったんですが、途中の常陸利根川で足が止まってしまいました。「これ以上行ったら利根川の11時の時合を釣れないよ」と自分に引っ張られてしまった。

並木:そこは、どっちを選んだほうが終わったあと後悔しないかってことだよね。巧の場合、利根川のチャンピオンとしての初出場だったわけだし、まずは利根川で戦って、コケたら次から別のエリアをやるというスタンスでよかったと思う。だって利根川を除外して戦って、そのときにジャイアンに勝たれたりしたら悔しいでしょ? だったら利根川に今まで培ってきたものを思いっきりぶつけて、負けても悔いのないほうを選ぶべきだよね。

伊藤:気持ちとしては複雑でした。霞ヶ浦本湖のほうが重たい魚が釣れるのをプラで目の当たりにしていた自分がいて、でも行けずに引き返して利根川に戻ろうとしている自分が少し悔しかった。

並木:じゃあ霞ヶ浦もプラではけっこう釣り込んだの?

伊藤:利根川と霞ヶ浦の両方をプラの期間の半分くらいずつやりました。霞ヶ浦でも学んだことがあったし、1500gクラスが出る可能性が高かったので、試合当日もやりたいことはあったんです。

並木:霞ヶ浦本湖のバスって太ってるよね。短くても1200gあったり、48cmくらいで2㎏近くあったり。

伊藤:霞ヶ浦はバンクも浚渫もポテンシャルがあって、勝つことを考えると、霞ヶ浦や北浦が大事だと感じつつも動けなかった。利根川ではあの結果がベストでそれ以上は難しいという核心的な釣りができています。でも来年も呼んでもらえるのであれば優勝するための釣りをしたい。自分の殻を抜けて、移動時間を費やしてでも勝てる場所に行ける勇気をもちたい。

並木:新しい可能性を見に行きたいという姿勢なんだ。すばらしいね。

伊藤:並木さんはそういう釣りができるじゃないですか。プラのときもボートをいろんなところで見かけました。

並木:うーん、ぶっちゃけどこも自信はないんだよ。JBの選手は年2回くらいは北浦で試合をしていて、そのために毎回1週間はプラをする。それと比べて俺がオールスターのためにプラで2日くらい北浦を見ただけでは経年変化についていけない。たとえば釣れそうな杭の存在は知っていても、当日の状況でどの杭で高確率で釣れるのかというのはやり込んでいないとわからない。強いて言えば利根川がいちばん自信があるんだけど、巧のような猛者がいるし、それなら霞ヶ浦を周ってなんとか3尾拾えたらいいなという試合だった。

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伊藤:最後に聞いてもいいですか? 並木さんはもう3年連続で表彰台に立っていますよね。普通の選手だったら外す年もあると思うんですけど、何が違うんでしょう?

並木:ひとつ言えるのは、試合中にいろんなことを試すということ。そこで浮かんだひらめきを大事にすること。たとえば一昨年に4位に入賞したときは初日にポッパーのラウダーでも釣っている。11月の試合だったしプラでは投げてもいないんだよ。でも当日の朝はローライトで少し暖かかったし、増水傾向でもあったから、普段なら撃たないシャローにもバスがいそうだった。ただ、ワームで時間をかけて撃ちたくはなかったからトップを投げたら結果が出た。あとは利根川ではあまり活躍の機会がなさそうなディープクランクでも釣っている。それは魚探の反応で水深3~4mにベイトが落ちたのがわかったから。ダウンショットリグで釣ると時間がかかるからディープクランクを投げたというわけ。

伊藤:いろんな手駒をもっているからこそできるんですね。

並木:とくに利根川って再現性が低いじゃん。パターンもレンジもすぐ変わっちゃう。だからいろんな釣りを試すというのがひとつのキーだよね。

伊藤:今回僕の場合は初出場ということで運も味方してくれてお立ち台に立てたわけですけど、このDVDではカメラが密着した3選手が全員表彰台です。すごいですよね。

並木:ほんとだね。神掛かった人選だったね。

―― お二方ともありがとうございました。僕も何度も見ているんですが、もう一度違った目線で楽しめそうなお話をありがとうございました!


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◆Basser Allstar Classic 2017第5位・福島健、伊藤巧 表彰式インタビュー
https://basser.tsuribito.co.jp/archive/bac2017fukushimaitointerview

  
 

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2018/2/23

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