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泉和摩が語るジャークベイト論 :第2回(全4回)

優れたジャークベイトの条件とは

Basser編集部=写真と文
dsc_8427
低水温期にアドバンテージを発揮するルアーのひとつがジャークベイトだ。
高校3年生にときにオリジナルHMKLを完成させた泉和摩さんはこのルアーの第一人者。
津久井湖で拾ったラパラF7に「ある性能」を付加したことが、日本のバスフィッシング史に残るミノー誕生のきっかけとなった。
それ以来名作ルアーを生み出し続ける泉さんに、ジャークベイトについて教えてもらいました。


dsc_0044解説=泉 和摩(いずみ・かずま)
1955年福島県生まれ、東京都在住のプロフェッショナル・ルアービルダー。1987年から1990年までの4年間、B.A.S.S.インビテーショナルに日本人として初めてフル参戦を果たす。JBではJBTA時代から優勝、入賞多数。1997年にトップカテゴリーが少数精鋭化されてワールドシリーズがスタートすると、その第1戦の生野銀山湖で、ワンオフのHMKLを駆使して優勝。2000年にはW.B.S.スーパースリーデイズを勝っている。
HMKL
ショールーム:東京都小平市御幸町123-1
営業は月~土曜日の9:00~17:00。
日・祭日は定休


この記事は2012年12月号に掲載されたものを再編集しています。

名作が備える共通の特徴


 世の中に数あるミノープラグのなかで、ジャークベイトとして高い評価を得ているモデルはどんな特徴を備えているのだろうか?

 「端的に申し上げますと、ただダートすれば釣れるってもんじゃないんですよ、ということになりますでしょうか」と、泉さん。

「昔は、巻いてまともに泳がないダメなミノープラグも多かったので、アングラーは仕方なくロッドワークを駆使して釣ったり、メーカーもそうやって使うものだと誤魔化したりしていましたねぇ。ふふふ」

「でも、そういうルアーで今に残っているものはありません。ログとロングAの名前が挙がりましたが、ただ巻きで水を掴んで泳ぐロングAはむしろダートが苦手なルアーです。なのにジャークベイトとしても評価が高い。もうひとつのログはこの手のルアーの代表格ですが、ただ巻きすると一見ダメなミノープラグに思えます。でも、このルアーもバランスをとってあげれば巻いても釣れる泳ぎをします。ラパラFが元になっているHMKLも、もちろんただ巻きでもよく釣れますよ。『巻いても釣れる』というのは名作に共通する特徴のひとつです」

dsc_8433上/スミスウィック・ログ。下/ボーマー・ロングA

 ダートの距離よりも、優れたジャークベイトの条件は巻いても釣れること……、具体的に言えば「釣れるローリングアクション」を備えていることだと泉さんは言う。それならたしかに、水の抵抗をローリングアクションに変換するためのリップはなくてはならないパーツだ。


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ジャークで加速するのはルアー本体のみにあらず


 「巻いても釣れるミノープラグ」のすべてをジャークベイトと呼ぶことはできない。ラパラFのように、急激なロッドワークに対してつんのめるだけのルアーも存在するからだ。

 ラパラFは「小気味のいいローリングアクションと、それに伴うチカチカと明滅するようなフラッシング」を備えているが、バランスの高さゆえにロッドワークへのレスポンスは低い。このルアーが、ジャークよりもグリグリメソッド(緩急と止めを交えたリーリング)で一時代を築いた理由もここにあるだろう。

「釣れるジャークベイトの動きをよく見てみてください。ダートしているだけではなくて、ダートしながら本来のアクションもしていますから。つまり、水中を滑りながら速く小刻みにローリングアクションもしているミノープラグが、釣れるジャークベイトだと私は考えます。ジャークというロッドワークは、ルアーをダートさせるためのものでもあって、そのキレの良し悪しが釣果を分けることもあります。けれど、もっと重要な効果は、瞬間的にローリングアクションの回転数とフラッシングの明滅速度を上げることです。ジャークはルアーを選ぶメソッドですよ。ふふふ」

  
 

 

ハンドメイドルアーを手がけるビルダーたちの素顔に迫るムック。
泉和摩さんによるルアーメイキング講座も収録。

 

匠の素顔



 

 

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