サイト・ビー by Basser
バスフィッシングひと筋30年。バサーをつなぐウェブメディア

並木敏成のポッパー&ペンシルベイト道場 :第6回(最終回)

アクションで差がつくポッパー&ペンシルベイト

Basser編集部=写真と文、もりなをこ=イラスト
s3y3並木7
 
212-jissen18一歩出遅れてしまったSを救済するため、熱血コーチする並木先生。先生の期待に応えようと頑張るが気持ちだけがはやってしまうS……
 
 
ヤマガタ先輩にリードされてしまったS。
並木先生にマンツーマンでレクチャーを受けるが、
釣れるアクションを引きだせない。
次第に精神が崩壊していくSが見たものは
アクションの違いで釣果に決定的な差がつくという残酷な現実だった。
 
編集部員がエキスパートに入門し、座学と実践で免許皆伝を目指す 『Basser』の人気連載をピックアップ

※この記事はBasser2009年8月号に掲載されたものを再編集しています
 
並木6講師=並木敏成(なみき・としなり)
並木敏成先生のブログ「TOSHI’s DAYS
並木敏成先生のfacebook
 
 
1966年10月17日生まれ。バスマスタークラシックにクオリファイした初の日本人。2005年シーズンはFLW ツアー第3戦で優勝し、年間ランキング2位と大暴れ。本誌連載「The Mission」でも、トップウォーターで数々のナイスフィッシュをキャッチしている。
 
y3生徒=ヤマガタ
追い詰められるとツンデレ口調になる三十路男。かつて地元のクリアなリザーバーでペンシルベイトで相当釣ったというが、編集部に入ってからは霞ヶ浦水系がホームになり、その出番は皆無に。現在は『Basser』編集長。
 
s3生徒=ササキ
かつてトッパーだったらしいが、「見えないほうが興奮する」とチラリズム(?)に目覚め最近はご無沙汰。東京に越してきてからポッパー&ペンシルベイトよりもビッグバド系ルアーの出番が増えた。

 
212_namiki-kirinuki-09ポッパーとは……トップウォータープラグ(水面で使うプラグ)のうち、口を大きく開けた形状(カップ)をもつもの。アクションを加えるとポコッポコッというポップ音や水しぶきを発生させる。短い移動距離で首を振らせるのも得意
 
212_namiki-kirinuki-03ペンシルベイトとは……トップウォータープラグのうち、シンプルな細長い形状のもの。ロッドをうまく操作して頭を左右に振らせるドッグウォークやスケーティングと呼ばれるアクションが持ち味

 

ひとり千本ノック

エリアを大池公園側に移して実践篇は続く。時間は17時30分を回り、日没まで残すところ1時間半。観光遊覧船、通称「くじら」の前でボートを止めた並木先生は、桟橋とくじらの隙間へシュパパッ! とベントミノーを放り込んだ。
  
212-jissen17
  
並木7並木 ルアーの下に影が浮いてきたよ。うん、やっぱり午前中よりバスの寄りが早くなってる。ササキ君、チャンスだよ。投げて。
 

 
s3 ハイッ!

 
カキーン!  
並木2並木 くじらに謝ってもう1投!
 

 
s2 ハイッ! すみません!

 
コキーン!  
並木2並木 ゴメンなさいって言ってもういっちょう!
 

 
s2 ハイッ! ゴメンなさい!

 
スコーン!  
並木4並木 ルアー、割らないでね?
 

 
s2 ハイッ! 割れないでね!

 
パカーン!  
野球部の千本ノックにしか聞こえないが、ようやくキャストが決まるとササキのヤマトJr.にもバスが寄ってきた。
 
並木7並木 ゆっくり。ゆっくりだよ、ササキ君。まずはじっとポーズ。にらめっこ状態からUターンされたら1回だけスッと動かして。
 

 
s2 ハイッ!

 
チョンチョーン!  
並木3並木 動かしすぎ! それじゃあバスの射程からルアーが外れちゃうよ。もう1回キャストして。

 

またササキのヤマトJr.にバスが寄ってきた。しかも今度は2尾だ。  
並木2並木 俺とヤマガタ君はルアーを投げないから頑張って!
 

 
Sに善意のプレッシャーを掛ける並木監督。取材的にあとはSが釣ればメデタシメデタシ。Sの釣り待ち状態である。が、当の本人は膝がカクカク、手もプルプルと震えている。極度の焦りで身体は脳の指令を実行できず、チョチョーン! とやっては「スッと動かせば充分!」、「まだポーズ!」と並木監督に叱咤され、千本ノックから繰り返す。そうこうしているうちにバスがスレてしまった。
 
s8 ダメです〜。クセが抜けなくて、つい手がチョンチョン動いちゃいます。
 

 
並木2並木 ササキ君、大丈夫だ。ヤマガタ君の2尾は忘れよう。深呼吸して落ち着いて。スマイルだよ。次のエリアでは釣れるから。
 
先生から探偵と監督を経て、コワレタSの精神科医に転身した並木さんと、心にもない声援を送るY、表情がどんどん強張っていくSを乗せて、レンジャー・スティーズ号は最後のエリアへ向けてプレーンした。  
 

Sにとどめを刺したのだ~れだ?


  
ヤマトJr.が火を噴き続ける。Y3尾目
  
「うはへはふへへへ……」「サ、ササキ君、ちょっとこっち見て、俺がやってるようにね?」。そろそろ本格的にコワレゆくS
  
並木7並木 ここも午前中にバスとベイトフィッシュを確認できたエリアだったよね。
 
 
s2 ……(チョチョーン、チョチョーン)。
  
  
 
ドバン!
  
 
y7 何か赤い魚が出ました〜ッ! あ、エラを開いて思いっきり出たバスでしたぁ(笑)。
 
 
s2 ……(チョチョン、チョチョン)。
 
 
  
s2Sの脳内。o O(並木先生やヤマガタ全敗と同じアクションができてる(※できてない)のにどうして釣れないの?ひとりだけバイトもないのはおかしいよね(※おかしくない)。けど、この展開は最後に僕がドカン! とデカバスを釣って大逆転の流れだな。うへ、うへへへへ……。
 
並木4並木 さ、ササキ君? 気をしっかりもつんだ。いいかい、落ち着いて。1回1回のアクションを大切に、スローに、こんな感じで……(スイ〜、スイ〜)。
 
 
ドバン!
  

並木10並木 う、ソーリー、釣っちゃったよ。
 
  
  
  
 
s2 ……(チョチョチョチョチョチョ)。
 
 
  
釣って、思いっきり「しまった」という顔をしている並木先生。その空気を読まずにキャッキャと喜ぶY。夕暮れといっしょにどんどん暗くなっていくS。YもSも同じルアーを使い、しかもYのほうが後ろで釣っている。明らかにアクションの違いが釣果を分けていた。  
 
 
「さすが先生! いろんな意味で流石です!」「ヤマガタ君、あんまり大きな声で……」。Sにルアーアクションを見せているときにドバン!

  
s1 並木先生! 最後にもう1ヵ所だけ釣らせてください!!
 

 
並木6並木 OK、その意気だ。次が最後と言わず日没まで頑張ろうゼ、ササキ君。追い詰められても最後には釣るのが男ってもんだろ。
 

 
s1 ハイィッ!
 

 
次にバスをドバン! と出したのは……、またしてもYだった。そしてこのあと本当に最後のエリアを釣り終わって陽がとっぷり暮れたとき、スティーズ号のコンソールには、すっかりしおれたSが、それは見事なボートカバーっぷりで覆い被さっていた。  
 
 
s8 あううう……、にゃ、にゃみきしぇんしぇ〜、僕に教材のヤマトJr.をくだしゃい。このルアーで河口湖にリベンジしたいですぅ〜。
 
 
並木2並木 お、OK。リベンジできたらO.S.Pのファンフォトギャラリーに写真を送ってよ。(笑顔でSの肩をポンと叩きつつ)大丈夫、才能は努力で補えるから。
 
 
 

s3 そ、それは僕に才能がないってことじゃ……。ヤダなぁ、並木先生。今日、釣れなかったのはたまたまですよ。た・ま・た・ま♥
 
 
すっかり暗くなった河口湖の湖畔で、「打たれ強いのも才能だね」、「ですね」と並木先生とYは頷き合ったのだった。B  
 

 

フック選びで「結論」を導き出すための1冊

finalanswer_cover_2FINAL Ans. of Hook

  
 
 
 
 
 

2016/6/7

最新号 2017年11月号

 「秋は台風や朝夕の気温差などでバスの居場所が変わりやすい季節。だからバスを探せるルアー(=巻きモノ)が有効です」そう北大祐さんは話します。  今号では秋の巻きモノを大特集。木村建太さんはマグナムクランク、ブレット・ハイトはチャター系、市村直之さんはスピナーベイトなどを解説。なぜ巻きモノなのか、そしてなぜ全員がグラスロッドを使っていたのか。秋の釣果に直結するヒントが満載です。  JBTOP50では青木大介さんが今期2勝目を達成した桧原湖戦を詳細にレポート。連日リミットメイク率が90%以上となった初秋のスモールマウスレイクで、青木さんが頭ひとつ抜け出せた理由は何なのか。驚愕のテクニックが明らかになります。
[ 詳細はこちらから ]

オンライン書店Fujisan.co.jp

Basser最新号を、毎号、発売日当日までにお手元にお届けいたします。 (地域や交通事情によって発売日より遅れて届くことがございます。予めご了承ください。) 送料は全国無料。印刷版、デジタル版共に1冊から定期購読がはじめられます。 店頭で売り切れてしまったり、忙しくて買いそびれる、という心配もありません。
定期購読をお申し込みいただくと、デジタル版の最新号からバックナンバーまで約1年分が無料で読めます。

[ 定期購読はこちらから ]

 

NOW LOADING