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ラスバス・初バス挑戦記 :第4回 市川哲也×琵琶湖

1月4日、答えをバスに訊いた巻きモノからテキサスリグへのローテ

市川哲也=写真と文
Basser2015年3月号掲載の「全員釣ったゾ!! ラスバス・初バス挑戦記」を再編集してお届けします。
「2014年のラストバス、もしくは2015年の初バスを釣ってきてほしい」という編集部からの依頼に応え、年末年始に釣行してくれた9人のアングラーは全員がバスをキャッチ。
低水温に打ち勝つヒントを教えてくれました。


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アングラー=市川哲也(いちかわ・てつや)
琵琶湖でバスフィッシングガイドを営む。現在の仕事を始める前は2年間ほど日本と米国を行き来してアメリカンなフィッシングスタイルを習得。
ウェブサイト:イチカワフィッシング

ビッグベイト、ディープクランク、メタルやダウンショットもアリ?


 S字系ビックベイトでのデカバスねらいでいこうかな。真冬のピーンと張りつめた空気の中、鏡のように穏やかな湖面にボートを浮かべてビックベイトをフルキャスト。ヘビーロッドのグリップエンドを脇に挟み、リールをゆっくり巻く。ルアー自体は重いけれど引き抵抗は軽くていい感じ。くればデカいとわかっているから余計に、リールを巻いているときのあの独特な静寂から一転、ゴゴッ伝わってくる生命感はあとを引く。ワクワクしてきたな……。

 いやいや、それともディープクランクを巻き倒してのデカバスねらいでいこうか。お気に入りのクランクベイトを深く潜らせ、岩をゴリゴリ叩いてクランクベイトに傷をつけることに耽る。それで1尾釣れれば、ルアーの傷は勲章となって、ピカピカのころより愛着が湧く。悪くないな……。

 でも、もしバスが水深10mを超すディープにいたら、魚探とにらめっこしながらメタルジグをシャクったほうが効率いいよな。う~ん……、念のためスピニングにダウンショットリグをセットして持って行こうか。

 こんなふうに、暖かい部屋の中で釣り道具をいじりながらあんなことやこんなことを妄想しているときが一番楽しかったりする。大晦日の夜に気になるのは明日からの天気のこと。どうやら2015年の正月は大荒れらしい。

岸際のアシ撃ちから水深15mのメタルジグまでを視野に


 僕が住んでいる滋賀県は元旦の午後から雪が降った。断続的に1月2日まで降った雪が積もったのと強風とで3日になってもスロープは閉鎖されたままだった。ただ、4日の天気予報を見ると寒さは和らいで穏やかそう。よく言えば日程の融通はいくらでも利くほうなので、この日を初釣りにしようと決めた。

 雪解け水で水温は下がっているだろう。けれど、前日の夜はそこまで冷えていないからきっと水温は下げ止まって日中は上がってくるかな。おまけにここ2、3日はおそらく誰も釣りしてないだろうから、湖がリフレッシュされていいかもな。顔には出さないけど内心はニヤニヤ。タックルは大晦日の妄想どおり、冬に実績のあるジョイクロマグナム、バルサウッド製クランクベイトのトマホーク、メタルジグのCCスプーン3/4oz、ダウンショットリグに、やはり低水温期に有効なサスペンドミノーのパーフェクト10ログと、どこでも使えるミディアムクローを7gのテキサスリグにセットして合計6セットのタックルを用意した。

p048-049_ichikawa-2 ジョイクロマグナム、3/4ozCCスプーン、テキサスリグ、トマホーク、ほかにミノーやダウンショットまで、それぞれに最適なモデルがフルレンジにはラインナップされる。ディープクランクとの相性抜群のローギアリール、エランPRもテイルウォークから発売されている

 冬といってもその日そのときで釣れる水深もルアーも変わる。岸際のアシ撃ちから水深15mのメタルジグまでを状況に合わせて釣ることができるタックルで、冬の貴重なバイトチャンスを1回でも多く引き出す作戦だ。

 天気予報に反して風が強く波も高い当日の朝。よくあることだと自分を慰めて琵琶湖に愛艇のバスキャットを浮かべる。北にボートを走らせていると琵琶湖大橋をくぐった辺りで風がやんだ。目的の岩場エリアは穏やかでひと安心。ねらったのは一文字のコンクリートブロック、漁礁のコンクリートブロック、取水塔、岩場のブレイクや張り出し、水中のこぼれ岩があるエリアなどだ。各水深に点在するこれらの硬い物に一時的につくバスを拾っていくイメージで釣りを進めてみる。ボートの上でも小走りになってしまうほどせっかちな僕は、ここだと思うエリアがあっても1ヵ所で粘るのが苦手だから、小まめに移動を繰り返しながらねらう水深とルアーをとっかえひっかえして、いれば数投でルアーに食ってくるバスの反応を伺う。

 予想外だったのはボートの多さ。たしかに冬の定番エリアだし、この時期にねらうスポットも皆いっしょだからバッティングは避けられない。考えてみたら世間的には正月休みの最終日で正月三が日は湖に出られなかっただろうから余計にボートが多かったのかもしれない。

 ジョイクロマグナムとクランクベイトをメインに釣りを進めるけどバイトもなければチェイスもない。釣りたいスポットには先行者がいて入れないことが多くなってきた。冬は釣りをできる時間が短い。それに僕のせっかちが拍車をかけて焦りが募る。ただ、朝からグローブなしでも手がかじかまないくらいの気温であることから、この釣りを続けていれば一日のうちでもっとも水温が上がる午後にバスの活性も上がると考えることもできるし、なんといってもハードルアーを投げ続けてドカンと当てたらさまになる。

 でも、それにしても雰囲気がない。個人的に嫌いじゃないロマンチックな釣りをいったん忘れてみる。で、このなんとも頼りになるような、ならないような、直感という判断理由で釣り方を変えてみた。

巻きモノからテキサスリグへローテ


 巻いて駄目なら落としてみろ、だ。横方向に泳がせるルアーに反応がなければ縦に落とすルアーに変えてみる。冬に限らずアプローチを変えながらバスの反応を伺うのはバスを釣るうえでの基本で大切な考え方だと思う。そんなことを考えていたらこのエリアのちょっと先に取水塔があることを思い出す。ついでにその取水塔の周りには石のように硬い何かが沈んでいたことも思い出す。例のごとく小走りで準備をしてそそくさとボートを走らせる。

 時間は11時。幸い先行者もいない。少し距離を保ったまま取水塔に向かってミディアムクローのテキサスリグをキャスト。ねらっているのは取水塔ではなく、周りのハードボトム。底まで沈めたらひとつひとつの凹凸を感じながらゆっくり底を這わせる。2投目。ハードボトムのコリコリを感じていると若干、生命感のあるコリッを感じた。一瞬、身体が緊張する。イトを張って聞いてみると魚の重みに違いなかった。それなりの寒さで強張った身体を仰け反らせて思いっきりアワせる。バスはバスでボート際にくるまでほとんど暴れなかったが、釣りあげてみると50cm弱の肥えた綺麗なバスだった。

 次のキャストでも小さいバイトがあったけどフックアップできず。ここで、確実にバスがいるとわかったスポットで別のルアーを試してみる。クランクベイト、ラバージグ、ダウンショットリグ、サスペンドミノー、ジョイクロマグナムを、エレキで取水塔の周りをゆっくり回りながらそれぞれ数投ずつ。バイトはない。再びテキサスリグに戻し、同じように底を這わせているとさっきよりも小さいコツッというバイト。同じようにイトを張って聞く。魚の重みを感じたので思いっきりアワセる。2尾目もさきほどと同様のコンディションのいいバスだった。よかった、よかった。初バスと出会えた安堵感で初めて腰を下ろしサンドイッチとコーヒーを口にした。ひと息ついていると今釣れた場所と同じような条件の場所がいくつか頭に浮かんだ。ここに居座って釣り続けていれば3尾目4尾目が釣れるかもしれないとも考えた。そのほうが賢いとも思った。でも、動いてしまった。結局、その後バスは釣れなかった。バスフィッシングではしばしばこの決断がその日の釣果のすべて鍵を握っていると改めて感じた。

p048-049_ichikawa-1 今回、唯一バスからの反応があった取水塔。大きなワンドの中で底質は基本的に土。奥には川があり、その手前には漁港がある。そこからワンドの外に向かって1m~5m弱に落ちるしっかりとしたブレイクラインが走っている。ブレイクの浅い方はシャローフラットでフラット上にはウィードが生え岸際には杭やブッシュが並ぶ。そのブレイクの落ちたエッジ付近に取水塔が位置している

p048-049_ichikawa-3 1尾目は48cmで1900g。低水温のせいかボート際に寄せてランディングしようとしたところでようやく目覚めたように走り出した。ハリは上顎に掛かっているように見えるけどほとんど刺さっていなかった

p048-049_ichikawa-4 2尾目のコツッという小さいバイトを感じて渾身のアワセ。1尾目のバスがしっかりハリに掛かっていなかったので余計に体重をロッドに乗せてのアワせた。フッキングミスが原因でのバラシを無くすためにしっかりアワせるのは基本。基本は1番大切な事。2尾目(ページトップの魚)は49cmで1700g。このバスはフックアップ直後からよくファイトした。事前にフックを細軸のものに交換したこともあって今度はしっかりフックアップしていた

当日使用したタックル


ジグ&ワームからクランクベイトまでバーサタイルに対応 ic01 ロッド:フルレンジC70MH(テイルウォーク)
リール:エランMTX73DR(テイルウォーク)
ライン:フロロカーボン20Lb
ロッドは7ft、MHパワーのモデル。1ozまでのジグ、ワーム、ワイヤーベイト全般がメインだがクランクベイトをはじめハードルアーにも高次元で対応するなんでもロッド。リールはエランMTX73DRを使用。安定した使用感が特徴で浅溝スプールが標準装備。もっとラインキャパが欲しいという方には別売り深溝スプールがオススメ。今回は標準スプールで20Lbのフロロを使用したけどとくに問題はない


シンプルな形でも釣れるものは釣れる ic02 ミディアムクロー(ゲーリーインターナショナル)
フック:オフセットフック#3/0
シンカー:バレットシンカー7g
今回のヒットルアー。昔ながらの形状で飾り気もアクションもない。唯一、言えることは釣れるものは釣れる。最近はパンチング用としても多用していてお気に入り。カラーはグリーンパンプキンでフックは#3/0。狭い範囲のハードボトムをタイトにねらいたかったのでシンカーストッパーを使用した


ic03 トマホーク
桐山孝太郎さんが完成させたバルサウッド製のクランクベイト。超ワイドウォブルアクションが特徴で、リップを障害物に引っかけては外す動きが低水温期のビッグバスに有効


ic04 ジョインテッドクローマグナム230(ガンクラフト)
20㎝を越えるサイズのS字系ビッグベイト。冬場のガイドフィッシングでも実績が高いので使ってみてほしい



 Basser2月号の巻頭記事では、宮廣祥大さんが琵琶湖で62cmをキャッチ。マグナムクランクベイトの真価を目撃せよ!


  
 

 

市村直之さんがバスのメインベイトを軸にした琵琶湖攻略法を徹底解説!

 

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2017/1/2

最新号 2018年1月号

2017年を締めくくるバスとの出会いは「中層で」  もうすぐ冬の入り口、12月。年内最後のバスを釣るためのカギは「中層」にありました。  特集の冒頭では、山岡計文さんが「バスはボトムにいない。だから私はボトムを釣らない」と、自身の経験に基づく「ボトム否定論」を展開。  さらに北大祐さんはディープクランク、平川皓也さんはジャークベイト、川村光大郎さんはラバージグ、伊藤巧さんはネコリグと、4者4様の中層攻略テクニックを公開します。  台風の影響でワンデイ戦となったJBTOP50最終戦では、青木大介さんに密着取材。年間タイトルに王手をかけながらも正午までノーフィッシュ。吐き気をこらえ、苦しみ抜いた戦いの記録は必見です。そして後日のインタビューでは「驚きの展望」が語られます。  また、この霞ヶ浦戦を勝った関和学さんのパターンを追加取材を行なって詳報。ベイトフィッシュに着目した、消波ブロック帯の「中層」を釣る技は必見!! 寒い季節の一尾に繋がるヒントが盛りだくさんです。
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